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2020年06月05日

いつか旅に出よう「時刻表マニア」

タモリの楽屋には「時刻表」が常備されていたらしい。彼の冠番組「タモリ倶楽部」は40年ほど続く長寿番組で、今でも鉄ちゃん鉄子向けのディープな鉄道企画をやることがある。そこでは時刻表のことを「鉄の聖書」と呼んでいたっけ(笑)。タモリは時刻表マニアということではなく電車のことなら何でもいい、そんな感じだ。
さて「時刻表」には、JTB時刻表とJR時刻表があって、それぞれ全く別の雑誌らしい。時刻表マニアにとっての時刻表には、フツーの人の想像とは違った楽しみ方があるようだ。もちろん旅の予定を組む時に使うイメージは同じだが、マニアは時刻表という雑誌に記載されている全ての情報を駆使して「妄想の旅」をする。妄想とは言っても、はるかにリアリティーがあるから、それは、現代のVR機器が発明されるはるか以前からの遊びのようなもので、マニアにはホントに行ったことがある記憶のようになるらしい(笑)。一種の特技かもしれないな。

実は、この僕も出版物としての「時刻表」をわざわざ買って読んでいた時期がある。タモリの影響を受けていたのだろうか(笑)。当時は、なぜか「信州」という響きが好きだったようで、僕の妄想の旅は、遠方の東北北海道や九州などに興味はなくて、甲信越地方ばかりだったように思う。まず巻頭の路線図の中から、ある路線を選び、駅名を順に追いかけるところから妄想が始まる。当時の時刻表の欄外には、路線ごとの「駅弁」とか「特産品」などの小さな記事が、無数にあったことを覚えている。駅での停車時間を調べると、駅弁が買えるかどうかを想定できる。

たとえば食いしん坊の僕は、行ったことも食べたこともないのに、横川駅の「おぎのやの峠の釜めし」のことは、よく知っていた(笑)。信州の駅弁なのに、その陶器の釜は「益子焼」つまり栃木県のもので、なぜそんな組み合わせになったのか、当時は知りたくてたまらなかったものだ。今から思えば、どーでもいい話だ(笑)。
帰省ラッシュのピークに、八王子から中央線経由で金沢まで、いわゆる普通列車の旅をしたこともある。その時は、間違いなく「時刻表」を大事に抱えていたはずだ。僕は鉄道ファンでもなければ、時刻表マニアでもないが、いったんその「オタク」の近くまで行っていた時期があるのかもしれない(笑)。

いろいろ事情があって、僕は生涯働き続けなければならない(笑)。シゴトの量が減ったとしても、リタイアは難しい。シゴト人間はスケジュールが優先するから、長期の旅は、ほぼ不可能だった。日程は1泊2日ばかりで、頑張っても2泊3日がいいところだ。若い頃とは違って、海外にはさほど興味がなくなったとはいえ、やはり贅沢に日程をとりたいものだ。むしろ国内の旅がいい。行ったことがない土地や訪ねたい場所が、日本には、まだまだたくさんあることに気づいた。そんな旅がいい。
これからは旅先でのリモートワークも無理ではないかもしれない。実際のところ、そんなリゾート地のプランがたくさん紹介されている。いつか、そんな旅に出ようと思う。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだまだ旅の日程に現実味はない。こんな機会だから、ゆったりとした日程の新しい旅を妄想してみようか。でも、たぶん時刻表は買わないけどね。

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