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2020年06月05日

歴史の闇はマンガで

空から見る遺跡、漆黒の村正、しみる夜汽車、海底の花園サンゴの美・・・・これらは録画リストにある番組タイトルの一部だ。某国営放送の深夜の再放送ばかりで、どれも観たことはないし、どんな番組なのかも知らない(笑)。連休になったころ、わが家の録画リストがどんどん増えていった。民放各局の過去の傑作選とか総集編みたいなやつもたくさんある。たいした理由はないのだが、時間の使い方が分からなくて、買いだめするみたいな気持ちになって録画したのかもしれない。まぁ見始めて数分で削除するやつもある(笑)
そんな録画リストの中に「未解決事件JFK暗殺」というやつがあった。前編後編の大作らしい。僕も、この陰謀めいた事件に興味を持つ一人だ(笑)。2017年に数万点の資料が公開されたのだが、一部の極秘資料は非公開だった。残りの極秘資料の公開を公言していた某大統領が、それを急に撤回した、などというナレーションから番組が始まる。

オリバーストーン監督の映画「JFK」が公開されたのは30年も前のことらしい。ケネディー大統領殺人事件を巡る唯一の訴訟「クレイショー裁判」を題材にしたドキュメンタリーのような問題作だった。僕にとっては、色あせない記憶で、とても興味をもった映画だ。映画館で観たのか、レンタルビデオだったかは覚えていないが、調査を進める地方検事ギャリソンを演じるケビンコスナーが知的で正義感にあふれていてカッコよかった。なにより、史実が描かれていて説得力があって、引き込まれたのだと思う。
オズワルドのことを、事件の「犯人とされている」人物、と言うようになったのは、この映画の影響力なのかもしれない。前述の某国営放送の番組では、この事件の研究者たちのインタビューを中心にして、はめられたオズワルドや事件の闇を描こうとしていた。でも、僕が知っている以上の展開があるわけではなく、物足りない内容に終始したように思えた。

そんなとき、浦沢直樹のマンガ単行本でJFK暗殺事件を扱った作品のことを思い出した。なので、2階の本棚をひっくり返すことにした(笑)。そのマンガはBリーバットというタイトルで、わが家の本棚には、その第1巻から5巻までがあった。舞台は第二次大戦の直後で、主人公の日系人のマンガ家が、ミステリーのような歴史の闇に引き込まれるところからストーリーが始まる。その中に、オズワルドやマリリンモンローが出てきて、いわゆるJFK事件を深く扱うように展開していく。これが面白い、さすが浦沢直樹だ。しかし、ハナシは時間軸や場所(国)をどんどんシャッフルするように展開するので、読むのが辛いマンガでもある(笑)。いわゆる、物語のキーをプロットしていく手法なのだが、なかなかプロットの回収が出てこない。なにせ、日本の伊賀忍者から、アポロの月面着陸、下山事件やキング牧師まで、あちこち広がっていく(笑)。

JFKへの好奇心は、このマンガで叶えることにしよう。久しぶりに5巻を一気読みして、そう思った。でもストーリーはまだ途中だから、残りを大人買いしようと考えたのだが、なんと20巻まであるらしい。さすがに躊躇して、第1部の11巻だけ、つまり残り6冊を注文することにした(笑)。しかし、取り寄せには10日間ほどかかるらしい。それだと連休が終わってしまうなぁ。仕方がないから、今夜は「漆黒の正宗」で妖刀のハナシでも観てみようか。どうやらこの番組も、ある意味で歴史の闇の話のようだ。

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