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2020年07月17日

いつか旅に出よう「知床のおやじ」

いつか旅に出ようと思う。でも今は行けないし、その日が来るのはいつか分からないから、思い立った時に妄想を始めることにした。今回は「知床を目指す旅」の計画をしてみようと思う。
毎年毎年、今年こそは北海道へ、と候補になるのだが、なかなか行けない。やっぱり遠いからだ。なまじ何回か行ったことがあるから、優先順位から外れてしまうのかもしれない。行きたい宿も、行きたいレストランもある。もちろん、行きたい場所も観たい景色もある。でも、いざとなると、日数も予算も限られているから、たくさんのことをあきらめる。北海道は広くて移動時間がもったいなく思えてしまうのだ。絞れば絞るほど、ある場所で、あることしかできなくなる。理想的な旅とは違ってきて、結局テンションが下がってしまう。
まぁ、今回は妄想の旅の話だから、贅沢に日程をとって、時間もコストも気にせず、満喫できる旅程にしてみたい。遠くて不便で、それが楽しい道東(釧路、根室、知床)の旅だ。実を言えば、少し前に「旭川」のことを書いていたこともあって、最初に浮かんだのが北海道になってしまった。しかも、いくつもプランが浮かぶ(笑)。まぁそんな妄想の旅なので、よければ付き合ってほしい。

記念すべき第1回の妄想の旅のスタートは「釧路」がいい。釧路には思い出がある。小松~羽田~釧路のルートがいいかな、そして初日は釧路で1泊だ。食いしん坊の僕は、まず「和商市場の勝手丼」を食べる。最初に「丼の白ご飯」を買って、市場の店頭に並んでいる魚介類を順に買って乗せていく。何軒か回れば、スペシャルな海鮮丼が出来上がる。上にワサビを乗っけて、醤油を回し、行儀悪くワシワシ食べる。うん、旨そうだ(笑)。
そして釧路湿原あたりをドライブして、夜は釧路の居酒屋へ行く。釧路は「炉端焼き」発祥の地だ。釧路の秋刀魚、羅臼のホッケ、そしてニシンも脂がのって旨そうだ。厚岸の牡蠣も必須だ。炭火の炎で身が膨らみ、プリプリになった牡蠣を、ハフハフしながら口に放り込む。ああ、そそられるなぁ(笑)。20代のころ、釧路湿原の土地が坪5円で買える、という話があった気がする(笑)。1000坪買っても5000円だと計算して、仲間に声を掛けていた思い出がある(笑)。正しく言えば、タンチョウ(鶴)の保護のための募金みたいな仕組みだった。実際には広大な「湿原」だから、自分の土地に立つことさえできなかったはずだ。

2日目は、クルマで厚岸、根室、納沙布岬あたりへ向かうローカルなドライブ旅がいい。イメージで言えば海沿いを走る感じだが、海の向こうには歯舞諸島や国後島が見えるのだろうか。宿泊は標津か羅臼あたりかな、安いホテルや民宿で構わない。まぁ簡単に書いているが、300kmあるから走るだけで6時間だ。
3日目は知床半島巡りだ。詳しいことは分からないから、少し調べないといけないが、知床五湖とかオシンコシンの滝とか、有名なところは多いから、半日がかりで楽しもうと思う。帰路は女満別空港からだが、札幌で泊まるか、東京で泊まるかだ。どっちも捨てがたい(笑)。で3泊4日の旅の出来上がりだ。
実は知床に、気になっているホテルが、ひとつある。「Kこぶし知床ホテル&リゾート」だ。気になっているのは、ここが企画している「ネイチャーツアー」の数々のことだ。船での知床クルーズや、自然散策、冬の流氷ツアーなど、どれも心惹かれる。でもここで1泊すると、もう一日長くなってしまう。まぁ今回は妄想の旅だから、これでいいのだが、現実的には、どうするかなぁ(笑)。

知床に「ルシャ」という海沿いの場所があるらしい。NHKスペシャルで知った(笑)。Googlemapで探したら、完全な国立公園の中のようだ。ルシャ川がそそぐ小さな海辺の漁場だ。林道しかないから、もしかすると一般の人は入れない場所かもしれない。世界自然遺産の知床には500匹のヒグマがいるらしいが、そのルシャは「ヒグマの聖地」と呼ばれ、たくさんのヒグマが自生している。しかも、そこでは漁師の人たちとヒグマが共生しているのだ。働く漁師たちの、すぐ目の前に当たり前のようにヒグマが現れ、エサを探して歩き回る(笑)。
その漁師の中に「ヒグマを叱る親父」が一人いる。取材班はその人(老齢の漁師)を中心に、知床の自然や、ヒグマとの共存、自然遺産の保護の実態などを描いていた。漁師たちの居住区に近づくヒグマを相手に、一人毅然と立ち止まって、ほんとに「こらっ」と叱ると、ヒグマたちが去っていく(笑)。
何があってもエサを与えず、ただ叱るのだ。番組には、気候変動でエサが減り、ガリガリに痩せたヒグマたちの必死な生き様なども描かれていて心を打たれるシーンもあった。だから余計に、この親父の共存への姿勢に感動した。自然遺産を守る、というのは美辞麗句ではなく、動物にも人間にも過酷な生の営みだ。できれば、ここを訪ねてみたい。この親父に会ってみたい。それが今回の妄想の旅を思い付いたきっかけだ。とはいえヒグマは、やっぱり怖いよな(笑)。

Kこぶし知床ホテル&リゾート shiretoko.co.jp

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