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2026年03月14日

ミケランジェロもレンブラントもみんな描いてた宗教画

本の時間「名画の謎・旧約新約聖書編」
さて、再びN野京子さんの「名画の謎」シリーズのお話だ。今回のテーマは「聖書」つまり宗教画だから、絵画のモチーフは新約聖書や旧約聖書に出てくるシーンになる。

僕は聖書にはまったく馴染みがないから、書き取りのテストがあったなら、シンヤク・キュウヤクをそれぞれ「新訳」「旧訳」と書いてしまうと思う。それが「訳」ではなく「約」だということに全く気付いていなかった(お恥ずかしい)。
「約」は遺言という語から発生した「契約」のこと、つまり神と人との契約ということらしい。救世主イエスによる新しい救いの契約が新約聖書、その前の契約が旧約聖書なのだそうだ。ややこしい。
さらにややこしいことに、ユダヤ教もキリスト教もイスラム教も同じ聖典(旧約聖書?ヘブライ語聖書?)を使っているらしい。つまり新旧というのは、新約聖書を併用するキリスト教だけの区分なのだ。僕にとっては、分かったようで全く分からない笑。なんだそれ。

僕にとって宗教画が好きになれないのは、何を描いているのか分からないからだ。描写の精緻な技術とかダイナミックな構図については凄いと思うが、そもそもテーマが分からない。だから彼女の独特の解説はとってもありがたい。
さらにその語り口は独特で、矛盾を指摘するときは辛口・辛辣・毒舌だから、抱腹絶倒で実に面白いのだ。
本編は絵画の話だから、知っている画家たちの手による有名な作品を使って解説が進む。自分が知っている作品の場合は特にそうだが、そんな彼女の解説にとてもワクワクする笑。
たとえば、ミケランジェロ(システィーナ礼拝堂アダムの創造)、ブリューゲル(バベルの塔)、レンブラント(イサクの犠牲)、ドラクロア(ヤコブと天使の闘い)、ルーベンス(サムソンとデリラ)、ダヴィンチ(最後の晩餐)など、その謎解きはホントに楽しかった。

彼らの作品は信者に聖書の意味を伝える役割があったらしい。聖書を読んでいたのは一部の聖職者や権力者だけで、一般の信者は聖職者から聞かせてもらうものだったそうだ。だから宗教画というビジュアルの迫力やイメージはとても重要だったということかな。
ここの紹介されている絵画は、遠い昔の人々が見ていたものだ。それを僕たちも今見ている。置かれている施設の違いはあるにしても、見ただけでは何のことか分からなくて当然なのかもしれない。
当時は、教会の聖職者たちが絵画の説明をし、今の僕には作者の彼女が解説する。前者は神聖なことなのに対して、後者はまさにエンタメ(楽しむこと)なのだと思う。本作が面白いのは、そんなことなんだろうなぁ。

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