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2021年07月02日

いつか旅に出よう「島と現代アートの旅」

再び妄想の旅だ。今回の計画のきっかけは、あの「赤かぼちゃ」を観に行こうか、くらいの軽いノリから始まった。瀬戸内に浮かぶ「直島(なおしま)」の港にポツンとある、あのK間彌生さんの有名な作品のことだ。
島の旅とか島時間には惹かれていたから、遠い記憶の中にあった「直島」の映像を思い出したり、現代アートの島だという簡単な印象のまま、直島のことをWebで調べ始めた。で、驚くことになった。凄いことになっていた。知っていたコトバやキーワードは表面上のことばかりだと分かり、僕はどんどんハマっていった。持っている業界の書籍なんかも引っ張り出して、まるで研究みたいな時間を過ごす羽目になった(笑)。

今回の旅の計画は、直島、豊島(てしま)など、いくつかの島々を巡るアートな旅だ。金沢から岡山へ、そして宇野港から直島(宮浦港)へとフェリーで渡り、レンタカーでベネッセハウス(中核施設)に到着する。書けばこれだけだが、半日はかかるようだ、遠いなぁ(笑)。宿泊するのは、ベネッセハウス(の中の4つのホテルのどれか)で、ここを拠点にして、直島を含めて、いくつかの「島」を回ろうと思う。ややこしいのは、ここからだ。島を回るとは言ったが、正しくは、点在する「美術館」や「アート作品」が目的だ。
コロナ以降は、主だった美術館が「予約制」になったので、入館時刻を正しく計画して、予約しなければならない。他の島々に点在する「作品」にも休館日や稼働時間帯があったりするから、どれも調べなきゃならない。アートを巡るのは大変なんだな(笑)。さらに、島から島への移動は「フェリー」だから、これまた面倒くさい。何を食べようか、なんていうのは、今回はず~っと後回しのことになりそうだ。

そのそも、この「直島」のことは15年ほど前から知っていて、興味を持っていたのは間違いない。それは、建築家A藤忠雄さんの「地中美術館」が、直島にあるからだった。そこにはベネッセの芸術施設があって宿泊できることも知っていた。その後、いろんな雑誌に紹介されるたび、思い出しては「行きたいなぁ」とは思うものの、当時の僕は、フェリーや船の長旅に苦手意識があったし、芸術や建築などから縁遠い毎日だったら、実現することはなかった。
直島の記事は、その後、「現代アート」の紹介のように扱われていった。ベネッセによる一連の芸術活動やホテルの拡充、そして瀬戸内国際芸術祭なんかのことを、見聞きするようになったころから、再び興味を持つようになった。あるとき同級生の某嬢から「行ってきたよ」と話を聞かされて、先を越されたなぁ、などと思ったりした(笑)。少々違和感を持っていた「現代アート」というやつも、ようやく身近になったし、何より、尾道を含めた瀬戸内の前回の旅が、とても楽しかったことが大きい。

さて、ここでいう「現代アート」は「体験するもの」らしい。どうやら作品を「観る」というのとは違うようなのだ。ここにあるのは「サイトスペシフィック」?な「インスタレーション作品」?なのだそうだ。ややこしい(笑)。素人の僕には詳しいことは分からないが、アーティストを招き、直島や瀬戸内の自然や集落の歴史までを踏まえて、島の「ある特定の場所」を選んでもらい、その場所だけのために制作・設置された、「空間全体を作品として体験させる」芸術、ということらしい。
作品が、いろんな場所に点在しているのは、そのためなのだろう。そんな島にはベネッセ以外の宿泊施設もあるようだ。ある意味で、ここでは宿泊するホテルや宿も、作品と位置付けているのかもしれない。だから、何から何まで面白そうに感じる。本物の芸術は人を魅了する。コロナと向き合っているうちに、僕も自分の中に何かを見つけたのかもしれない。何泊かするのだろうが、一度の旅ではなく、何度も訪れて「島の風土や島の時間」を味わいたいと思っている。
ベネッセアートサイト直島 benesse-artsite.jp
アートセトウチ setouchi-artfest.jp

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