米原バンド(現在のK-Dream)メンバー紹介

シリーズ第4回
バンド活動をしていてよく感心されることは、高校時代からずっと変わらず同じメンバーで活動を続けていると言う事である。決してハーモニーが素晴らしいとか、演奏がうまいと賞賛された事がないのはなぜだろう。
ということで、今回はバンドメンバーの紹介である。
その前にバンド名について少し書いておこう。「K-Dream」のバンド名の由来と言えるようなものは特に無い。「K-Dream」と改名したのは近年のことだ。
もともとはリーダーの名前を冠して「米原バンド」と呼んでいた。それは彼の楽曲の創造と発表の場だったからで、高校時代は演奏する楽曲のほぼ全てが米原のオリジナル曲だった。もちろんビートルズやチューリップ、オフコースなどの曲も演奏したが、バンド誕生時は彼が作詞作曲した曲を演奏するためのバンドだったのである。

Y原正泰
ボーカル、ギター、キーボード、コンポーザー
米原バンドのリーダーのY原正泰は高校1年のときに名古屋から来た転校生である。お互いビートルズ好きということがわかり親しくなった。当時彼の家は金沢市広岡の国鉄官舎の１階にあった。そこに初めて遊びに行ったときに、彼の作詞作曲の「愛のために」を聴かせてもらった。その時なぜかピアニカで一緒に録音したことを覚えている。
彼のコンポーザーとしての才能を感じさせる一曲で、「最初で最後のコンサート」の時の最初と輪唱にアレンジした別バージョンを最後に演奏している。そのほかにも結構いい感じの曲やフレーズを何曲も作詞作曲している。
彼をバンドリーダーと書いたがバンドをまとめる統率力があるからという訳ではない。彼のコンポーザーとしての才能に敬意を表してリーダーと呼んでいる。ちなみに彼がピアノを始めたのは20歳を過ぎてからである。

T野和夫
ボーカル、ギター、キーボード、ベース
バンドメンバー中一番のテクニシャン。クラシックギターで培われたテクニックはエレキギターに持ち替えても健在。バンドメンバーの中で唯一楽譜が読めるのも尊敬する。彼が高校時代にコピーしていたのは、サンタナやマフラフリンだったことからも玄人好みの渋いチョイスだったことがわかる。
彼は白峰の出身で桜丘高時代は春日町で下宿していた。彼の部屋はしばしば麻雀教室と化していて、私は初めて麻雀というものをそこで教えてもらった。麻雀の師匠はT辺やT島だった。

T桑啓一
ベース
バンドのディレクター的存在。バンド演奏の評価で彼から合格点をもらうのはとっても大変である。練習曲が決まるとDTM（デスクトップミュージック）を使いMP3などの音源を作成してくれる。
高校卒業後はもっぱら金沢駅裏の長田にあった彼の家が麻雀教室になった。当時は広岡や長田を駅裏と呼んでいた。金沢駅の西口などなかった時代である。徹夜麻雀の時などは食事やお風呂まで彼の家でお世話になった。
バンドの中で唯一歌わないメンバーである。彼とは50年の付き合いになるが、飲み会やカラオケを含めていまだに彼の歌声を聞いたことがない。ちなみに彼の娘さんはメインボーカリストとしてバンドをやっていた。その歌声は圧巻の迫力で本当に素晴らしいものである。きっとお母さんに似たんだね。

M岡陽一
ボーカル、ドラム
彼との付き合いは私が金沢に転校してきた小学校２年生までさかのぼる。当時から彼は長身で人望も厚くリーダー的存在だった。紫錦台中学ではともに水泳部に所属する。中学一年の金沢市水泳大会で紫錦台中学が優勝できたのは、平泳ぎの選手だった彼の貢献のおかげである。
その後彼は石川県大会は言うに及ばず北信越大会にも出場し、全国大会の強化選手にも選ばれている。高校ではその長身を生かしバレーボールに打ち込むと共に写真部にも所属する。
そんな体育会系の彼の音楽の好みはサイモンとガーファンクル。The Sound of SilenceやMrs. Robinsonのギターをコピーして教えてくれた。そんな彼がなぜドラムをたたくようになったのかは彼の原稿に譲ることにする。

N畑準
ボーカル、ギター
決して裕福な家庭ではなかったが、家にはビクター製の観音開きの大きなステレオがあった。後年知ったのだが、このステレオは私の５歳の誕生日に購入している。初めての私のレコードは童謡とかではなく、アメリカンマーチングバンドのLPレコードだった。ステレオの使い方を親に教えられ自由に聞くことができた。よくまあ幼稚園児に高価なステレオを触らせてくれたものである。
当時は東京でNHK FMのステレオ試験放送が始まったころで、東京に住んでいた私はステレオについていたFMラジオで中尾ミエや弘田三枝子、坂本九や尾藤イサオなどのいわゆる和製ポップスを聴いていた変な子供だった。
このステレオでビートルズのレコードを擦り切れるまで聞いた。このステレオセットは桜丘高校３年の時に金沢大学の軽音楽部に寄贈した。

彼らとは共に約50年音楽活動をしてきた。今では家族ぐるみのお付き合いをさせていただいている。その間、私は勤務地が高岡だったこともあったし、M岡は富山や福井で働いていたこともある。T野なんぞは九州の福岡に転勤していた時期もあった。そんな時でも年に数回、盆や正月にスタジオに集まってバンドを続けてきた。やっぱりみんな音楽が好きだったんだね。
N畑準（K-Dream）

（編集人から）ここで再び「CMタイム」です。音楽のチカラ練習編。