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2018年02月03日

青春のかけら「木綿のハンカチーフ」

高校1年生の時のクラスメイトの中で、一番最初に「あだな」が付いたのは、Y口くんだったと思う。まだ入学早々の頃のように思うが記憶に自信はない。ある日、Y口くんが頭から顎まで包帯ぐるぐる巻きで登校してきた。聞けば交通事故でフロントガラスに顔から突っ込み、怪我をしたとのことだった。包帯が取れた時の彼の髪の毛が逆立っていたことから「Yコイさん」と呼ばれるようになった。「恥ずかしながら帰ってきました」の横井庄一さんに似ていたからだ(M林くんが命名したのかな?)。本人が気に入った呼び名かどうかは別にして、今でも彼は同窓生からその愛称で呼ばれている。彼と仲良くなったきっかけは鮮明ではないのだが、付き合いは長く、そして深い。学生時代の初めての帰省の時、ミラーのサングラスをかけ、ベルボトムのGパンに厚底サンダルを履いて現れた彼を見て、彼も「都会の絵の具に染まった」のだと思った。所有していた古い「ハコスカ」を無駄に全塗装して乗るような個性の持ち主だった。仲間が集まるといえば彼はいつも皆勤賞だった。色んな所に出没していた。ちなみに新婚当時の僕のアパートには、彼の「歯ブラシ」が置いてあった。いつでも泊まれるように、彼が持参し”歯ブラシキープ”していったものだ。それくらい人なつこくて誰とも仲良くなれるのが彼の特技だ。彼にはずいぶん長く金沢を離れていた時期がある。年に一度だけ仲間が集まる年末ぎりぎりの忘年会では、遠方の彼に必ず会場から電話をかけ、仲間が順に話をしていたものだ。そんな彼が再び金沢に帰ってきた時も、何の違和感もなく、スルリと輪に加わるのも実に彼らしい。同窓会もクラス会も、終わった翌日、毎回必ずメールや電話をくれる。出てくる言葉はいつも「ありがとう」だ。Gさん、Yコイさん、僕の3人で、ゆるくスタートした27期の同窓会は、今年で27年目になる。何やら因縁めいた数字だが、毎回の会場で一番嬉しそうな顔をしているのは、いつも彼であることに間違いない。

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