定番の旧軽通りとアウトレットへ

冬の軽井沢散歩その3
この日の僕たちは、あるレストランの朝食が食べたくて、宿の外に出ることにしていた。このレストランを選んだ理由は、朝食にしか出てこない「ガレット」があるからだ。予約が取れたのは朝7:45だった笑、だから朝っぱらから忙しい。
まぁ言ってしまえば蕎麦粉のクレープってことなのだが、ここのやつは美味しくて、僕たちにとっては「軽井沢の味」として、けっこう強い記憶となっている。まぁ一種の家族の（旅の）記憶かもしれない。
焼きたてのガレットが出てくるまで、充実したサラダバーやベーカーリーを楽しむ。地元の牛乳が置いてあったりするのも意外に嬉しい。何年ぶりかなぁ、味などは忘れてしまっていたが、出てきたガレットは、やっぱり旨かった。食べた老夫婦は色んなことを思い出して雄弁になる笑。
昨日と違って、今日は朝からとてもいい天気だ。とはいえ、行きたい場所があるわけではないから、いつものように定番の旧軽井沢銀座通りあたりへ向かおうか、と思っている。どうやら新しい店もいくつかオープンしたらしい。
●ガレットで朝を楽しむ（タップして右へ）

タクシーの運転手さんとの会話に花が咲いた。宿から旧軽井沢通りへ向かうには、途中から別荘エリア（まぁ古い方のエリアだ）に入っていくのが近道だ。でも冬の別荘地には、人影どころか人の気配すらない。
当たり前だが、そもそも軽井沢は避暑地だったから夏の街だった。運転手さんいわく「別荘族は冬に来ることはない」のだそうだ。氷点下の冬には凍結による被害が当たり前で、古い別荘の水道破裂はもちろん、ちょっとした坂道も凍結で上がれないらしい笑。
だから昔は、秋になると旧軽井沢通りの店もクローズするのが当たり前だった。アウトレットや星野エリアが人気を呼んで、いつごろからか観光客が増え、年中賑わうようになったらしい。とはいえ冬の日中は賑わうが、夜は静かになるのだそうだ。
この別荘地にも新しい波がやってきているらしく、この通りには有名な高級宿も誕生していて、運転手さんは車をいったん止めて「ここです」と教えてくれたりする笑。

旧軽通りの手前、いわゆるロータリーあたりでタクシーを降りた。少し歩こうと思う。特に目的がある訳ではないから、まぁ散歩ということだ。どこかのカフェで本でも読んで過ごしたかったが（運転手さんの言う通り）街は観光客であふれていて腰が引けてしまった。
向こうの旧軽通りには、シニアの観光客が多いのだが、こっちのロータリー辺りは、比較的若い人たちに人気のエリアってことかな。さっそく、蕎麦の川上庵の前には長い列が付いていた。蕎麦屋なのにテラス席もあって見た目はカフェみたいでちょっとかっこいい。
そういえば、知らないうちに、あの「つるとんたん」が出店していた（けっこう大型店だ）。あの独特の「お洒落なうどん」に、都会っぽいセンスを感じるのか、軽井沢でも大人気のようだ。ここにも若いカップルたちの列が付いている。
一本裏の道を南へ進んだところに「沢村ロースタリー」という店がオープンしていた。軽井沢を代表する人気のベーカリー＆レストランが作ったコーヒー屋さんだ。店名の通り、豆の焙煎から販売、そしてカフェで珈琲も飲める。いい感じの店だがここにも列だ笑。
●旧軽銀座をぶらぶら散策（タップして右へ）

定番の旧軽通り（旧軽井沢銀座通り）へ戻った。まぁここはショップの新陳代謝も少なくて、見慣れた景色が広がる。そもそも住民にとっての商店街だが、歩いているのは観光客ばかりだ。まぁシニアの比率は軽井沢で1番高いかもしれない笑。
一番奥の方に、お気に入りの和カフェ（ちもと）があるのだが、今日はここにも列が付いていて、引き返すしかなかった。その途中、焼きたてのパンの香りに誘われて浅野屋（ベーカリー）に入った。奥に座るスペースがあるのだが、そこに年季の入った暖炉があった（まぁ古い薪ストーブだけど）。
たまたま暖炉の真ん前の席が空いててラッキーだった。そして旨そうなスープを頼んで暖をとることにした。メニューに珈琲はなかったが、それなりに楽しい時間だ。でも店は相変わらず混雑していて騒がしいから、早々に出て、今度は駅側のアウトレットへと向かった。
うっかりしていた。クリスマスのアウトレットの繁盛ぶりは凄いのだ笑。旧軽通りの主役がシニアなら、ここの主役はカップルと若いファミリーだ。敷地のアチコチで、クリスマスマーケットが開催されていた。まぁ若い人たちの人気イベントってことかな。

さて、定番の混雑エリアの散歩は早々に終了だ。ジジババは尻尾を巻いて宿に戻ることにした。宿に向かう帰路、タクシーの正面に、冬の浅間山が見えた。青空の中にくっきり立つ姿は美しかった。ジジババは、なぜかホッとする笑。
時間はたっぷりあるから、午後はどこにも出ずに、宿でゆっくりするつもりだ。まぁ冬ごもりかな。