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2024年01月26日

温泉でのため息「なぜか冬になると来たくなる」

冬の軽井沢散歩その4
その宿は、中軽井沢にある。通称「星野エリア」と呼ばれている一帯だが、いまでは全国に色々なブランドの施設を展開するリゾート会社の創業の地だ。新興企業のような印象があるが、祖業はここの温泉宿で、なんと110年ほどの歴史がある老舗企業らしい。

中軽井沢の駅から国道146号を北へ5分ほど走ると、右手に人気の商業施設ハルニレテラスがある。グーグルマップが示す宿の場所は、そのすぐ手前の小さな橋を渡ったところだ。でもそこに宿はない笑。あるのは、この宿の小さなレセプション(まぁ受付かな)の建物だけだ。
ここは荷物を委ね、ウエルカムドリンクで一服する場所だ。ほどなく1組ごとに小さな専用車(EV車)で、宿がある森の中へ入っていく。ドライバーはいわゆる客室係の女性で、途中の様々な施設を紹介しながら、こんどは「宿の敷地」へ入っていく。敷地は専用のプライベート空間なので、宿泊客以外は入れない。
敷地の中央には渓流が流れ、それを囲むように客室(ヴィラ)が点在している。その客室まで送り届けてくれるのだ。自分の部屋でチェックイン手続き、宿の施設説明、予約内容の確認、季節の企画やイベントの解説などをしてくれる。ちなみに、僕たちの今夜の食事は、宿のそれではなく外のレストランを予約してあるのだが、それを知ると、レストランへの送迎を申し出てくれる。まぁ至れり尽くせりだ笑。

この宿には、温泉宿の良さとホテルの快適さの両方がある。初めて訪れたのはもう20年ほど前で、その心地よさや世界観に驚いてファンになった。そして、その後はときどき「帰ってくる」ようになった。しかも、なぜか冬になると思い出す笑。寒くなると「温泉に行きたいなぁ」という、あれかな。
宿のスタッフによれば、今回の僕たちは5年ぶりの滞在になるらしい。そういえば前回はここで年越ししたことを思い出していた。5年ぶりとはいえ、実はコロナのあいだにも、軽井沢へは、こっそり遊びに来たから、あくまで、この宿を使うのが5年ぶりというだけだ笑。
宿の敷地は1万3千坪あるらしい。まぁピンとこないが、そんな森に囲まれた宿泊エリアは「谷の集落」と呼ばれている。山の斜面に建つ部屋、水辺を楽しむ部屋、庭付き一軒家の部屋など、様々なタイプがある。僕のお気に入りは水辺の部屋だ。さらに独立したスパ棟、フロント棟(集いの館)、棚田テラスという共有施設も加わって、文字通り「集落」という感じになっている。
そんな施設は遊歩道でつながっていて、その小径を歩くと、川のせせらぎや鳥の声、そして森を抜ける風を感じて、まるでどこかの別荘地を散歩しているような気分になる。今回は真冬だったから、朝の散歩は清々しいし、夜は夜で星空がとてもきれいだった。

さて、今回の滞在にあたって、真冬の露天風呂(もちろん温泉のやつ)に入りたい、と思っていた。狙っていたのは敷地の外にあるパブリックな温泉の方だ。名前は「星野温泉トンボの湯」というのだが、大改修を終えたばかりらしい。たぶん僕は10年以上使っていない。
いわゆる「地域の総湯」みたいな施設なので、週末ともなればたくさんの人が訪れる人気の施設だ。周辺は芝生の広場になっていて、様々なイベントも開催されている。
もはや昔の記憶はないのだが、新しくなったトンボの湯には、大きな露天風呂に面したサウナ棟も加わっていた。外の空気は冷たいのだが、露天に肩まで浸かり、おぉ~っと変なため息をつく。湯船から眺める森の景色は美しかった。やっぱり温泉は冬に限るなぁ。
そして長風呂の後のお楽しみは、隣の建物にあるクラフトビールBARだ。ぐびぐび飲んで、く~っと唸る笑。たった1杯のビールなのだが、ほてった身体と乾いたのどに染み渡る旨さだった笑。

ちなみに宿の敷地内にも大浴場はある。スパ棟にあるそれだ。ここの「湯船のレイアウト」が面白い。打たせ湯から、狭くて浅い「湯の通路」を歩き、段差を降りて深く広い湯へ(深めの湯の中を歩くのも面白い)、そして小さなトンネルを抜けて、真っ暗な湯(瞑想の湯らしい)へと順に進むのだ。
まぁ僕が気に入っているのは、いつも静かで誰もいないことの方かな笑。ほとんどの宿泊客は(たぶん)自分の部屋の風呂を楽しむのだと思う。部屋のやつなのに、ちゃんとしたヒノキ?の湯船で、そこに「柚子」が2個おいてあった。
たっぷりと湯を張って、浮かべた柚子の香りを楽しんで、そこにザブンと浸かると、ザザ~っと湯があふれる。そんなちょっと贅沢なシーンが味わえる笑。まぁ温泉の楽しみ方が、いくつも用意されているってことだ。

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