あの動物園の前日レクチャー
旭川には夕方近くにようやく着いた。あの旭山動物園はかつて来たことがあるが、旭川で泊まるのは初めてのことだ。毎回思うことだが北海道はとてつもなく広い。この日は、新千歳空港から札幌郊外を抜け、北の海へ向かって一気に走り、石狩で墓参りを済ませた。そしてその足で内陸の旭川へと向かった。まぁけっこうな長距離ドライブだった。
もちろん高速道路は使ったが、途中は一般道をひたすら走るしかない。ハンドルを握るのは僕でなく義理の息子で、だから僕は乗ってるだけなのだが、けっこうしんどい笑。
北海道のこの経路の一般道(広域道路)は、あえて街の中心部を外して敷設されるようだ。つまり畑の中の一本道ばかりで、沿道には何~もない。なんとコンビニもない。だから、トイレ休憩はいったん住宅街へ向かわないといけない。コンビニは住宅地にあるから、スマホで探して横道に入るのだ。あいかわらず頼りになるのはセイコーマートかな。売ってる商品が独特で、とにかく面白くていろいろ買ってしまう。
旭川は札幌に次いで北海道第2位の都市らしい。歴史ある建物ばかりに見えるが、街並みが整然としている。予約したホテルの外観も、いかにも地方都市にありそうな、昔のシティーホテルの典型のように見えた。まぁ大きくて古いのだ。でも、実はこいつが中々凄いホテルだった。
広いロビーには、立派なカフェやライブラリーもある。そしてなんと「カーリング」のゲームなどのコーナーがあって楽しい。大改修したのかな?どうやら古いのは躯体の方で、館内は現代的でかっこいい。
カフェでのウエルカムスイーツ(無料のソフトクリーム)は、さすがに本場だ、美味しかった。そういえば、夕食のビュッフェはとても有名で評価が高いらしい。僕たちは、せっかくの旭川だからと、近くの有名居酒屋で地物料理を楽しんだのだが、外へ出なくてもホテルだけで十分楽しいのだと思う。
たとえば、このホテルには充実した温浴施設がある。本格的なサウナがあったり、ウォーキングプールも楽しくて、家族ぐるみでワイワイ使える。最上階には「ラーメンどんぶりビアBAR」と呼ぶ店があって、旭川の夜景と旭川醤油ラーメンとサッポロビールのコラボを楽しむ企画をやっていた笑。北海道のラーメンは、函館の塩、札幌の味噌、旭川の醤油がそれぞれ有名だから、ちょっとそそられる。
ちなみに僕たちは、1階のカフェ&BARで、ワインや「〆パフェ」を片手に、夜遅くまで遊んだ。出てきたパフェは、綿菓子を使った独特のやつで、ジジイには食べづらくて笑うしかなかった。
旭川といえば、旭山動物園がその代名詞だ。このホテルと動物園はどうやら強力タッグ(いわゆるコラボ)を組んでいるようだ。楽しい展示スペースや動物園系の企画が盛りだくさんだった。
夜になると、「エゾヒグマのあさひちゃん」がロビーに登場して、宿泊者を対象にした「動物園講座」が開かれていた。まぁ旭山動物園の楽しみ方をレクチャーするということかな。「あさひちゃん」は着ぐるみなのだが、そのトークがなかなか面白い。ファミリー客に人気のホテルなのもうなずける。
翌朝は、およそ20年ぶりに旭山動物園に立ち寄った。相変わらず安い入園料で人気のスポットだ。当時より敷地が広がったのかな?、展示動物の数も種類も大幅に増え多彩になった気がする。あのレクチャーをもっと真面目に聞いておけばよかったかなぁ笑。
20年前だから、2人の娘たちはまだ学生だった頃だ。時が流れて、2人は今ではママになり、小さい子供たちと動物園を楽しんでいる。まぁちょっと不思議な光景に思えたりする笑。
今日は、これから美瑛や富良野を通って、さらに南へ向かう予定なのだが、動物園で遊びすぎたから、少し先を急がないといけない。まぁ結局今日も長距離ドライブだ。もちろん僕はハンドルを握らず、あっちだこっちだと無理を言うだけだ笑。
動物園は20年ぶりだが、美瑛や富良野は30年ぶりだ。かすかな記憶を頼りに、家族の思い出を少し探してみようと思う。