映画の余韻「魂を詰め込んだ28の名曲」
テンションが高い時に原稿を書くのは避けなければならない。書き手が熱くなると、文章が暑苦しくなる。読み手の腰が引けてしまう。でも書きたい時がある。今日はそんな感じで、面倒な記事になるんだと思う。
その映画を見た日の夜から、僕に、おかしなことが始まった。たとえば、階段を上るたびに「ダンダン・パン」と3拍子で足を踏み鳴らしている(?)。少しボ~っとしていて「ガリレオ」というフレーズの残響が耳から離れない(?)。観終わったばかりなのに、やたらとその映画の公式ホームページを観る、何回もだ。今日は今日で、あまり開けない書庫を開けて、バラバラに詰め込まれた「CDの山」から、懐かしいアルバムを探し出した。アルバム3枚を見つけて、その中の1枚をさっそく聴き始めた。音量は普段の倍だ(笑)。CDケースには歌詞カードが付いた解説本が入っていて、普段なら読むことなどない解説を、じっくり読んでいる。さっきアルバムの14曲が終わった。次のアルバムの番だ・・・。他人からすれば、そんな、極めて気持ち悪い行動が続いている。
映画「ボヘミアン・ラプソディー」を観てきた。伝説のロックバンド「QUEEN」の生きざまを描いた映画だ。あっという間の135分だった。映画の内容はネタバレになるので書けないのだが、どうやら大きな衝撃を受けたようだ。今日で3日目、そんな余韻が、まだ僕を支配している(笑)。僕はファンではあるが、そんなヘビーな思い入れはない。彼らの曲をオンタイムで聞いていた訳ではないからだ。何年も前に、ショップで手にして、1枚買ったのが始まりだ。買ったのは、日本製のいわゆるコンピレーション・アルバムだった。解説書が付いていたのは、そのためだ。すぐに気に入って、代表作のベストアルバムを2枚買った。個人的には、聴くと「元気が出る」楽曲なので、クルマの中で聴くことが多かった。専門的なことは分からないが、1曲1曲が多彩で、バラードからハードロック、ときにはゴスペル調に思える曲まであって、とても楽しい。スポーツ番組やCMなどで、彼らの曲が使われることが多いので、思わず手を止めて観ることがあった。そんなときは、ファンなんだなあ、と自覚していた。
公式サイトに書いてあるレベルで言えば、この映画はQUEENのメンバーの出会いから、名曲が生まれる舞台裏、そして苦悩や挫折、ラストに伝説のステージ「ライブ・エイドでの21分」が描かれている。使用された楽曲は28曲、いずれも名曲ばかりだ。あらすじを言いたいわけではない。使用されている楽曲28曲と、そのシーンが、とにかく素晴らしかったのだ。
冒頭に書いた話の続きだが、僕が「ダンダン・パン」とスリッパの音をたてて、階段を上るのは、ブライアン・メイの名曲「ウイ・ウィル・ロック・ユー」の、あのイントロの影響だ(笑)。「ガリレオ」の残響は、タイトルのボヘミアン・ラプソディーのオペラ・パートの話。そんな名曲が生まれるシーンに影響されたからだ(笑)。映画を観れば、分かってもらえると思う。そして、病に侵され、残りの人生が短いことを悟ったフレディ・マーキュリーが熱唱するライブのシーンは圧巻だ。そういえば、亡くなる直前に発表された彼の曲「ショウ・マスト・ゴー・オン」が流れる箇所がある。どこかは書けないが、聴けば胸が熱くなる。ファンはもちろん、ファンでなくとも、彼らの楽曲はたぶん耳にしているから、少しでも興味があるのであれば、ぜひ見てほしい映画だ。実は公式サイトも面白い。
申し訳ない。やっぱり暑苦しい記事になってしまった。余韻は、まだ抜けてないんだったな。