散歩の途中で「現金払いNGって?」
新幹線に乗るときは本を読むことが多い。しかも座るのはいつも通路側なので、車窓からの景色を見ることはない。もとより北陸新幹線はトンネルだらけなので、景色は楽しい訳じゃないと思い込んでいた。トンネルを抜け、少し速度が緩んだと思ったら軽井沢だった。窓からは軽井沢駅前のアウトレットモールが見えた。土曜日のモールの駐車場はとても混雑している。もしかすると秋のバーゲンでもやっているのだろうか。11月の軽井沢の山は、すっかり色づいていた。よく見ると、そこにスキーを楽しむ人影が見えて驚いた。山には雪なんか降っているはずはないのだが、ゲレンデ部分だけが白く線を描いていた。プリンスホテルの人工スキー場だ、と納得した。27期の軽井沢大会は2020年春の5月の予定なのだが、春にも人工スキーを楽しむことができるんだろうか、などと考えたりしていた(笑)。
11月の丸の内は静かだった。地下鉄日比谷駅に直結するミッドタウン日比谷は、今年の春に開業したばかりなのに、すでに喧騒感はなく、静かで上質な売り場に戻っていた。1階のレクサスのギャラリーにはセンスの良い雑貨を販売していて見るだけなら楽しい。僕はレクサス・ファンではないのだが、それが表情に出ていたようで、スタッフは笑顔を見せるが、寄ってくることはなかった(笑)。歩行者天国になった丸の内仲通りは、すでにクリスマスのイルミネーションが始まっているのだろうが、もちろん日中は関係ない(笑)。その途中にある「二重橋スクエア」に入ってみることにした。この商業施設は、前日の金曜日にオープンしたばかりのはずだ。ビルのあちらこちらに誘導するスタッフがたくさんいて、なにやら物々しいのだが、肝心の「利用客」がまったくいない、そんな異常事態だった(笑)。
そんな、誰もいないレストラン街だったが、休憩がてらに「カフェ」に入った。有名なチェーン店だ。オーダーカウンターでドリンクを注文し、支払いになって驚いた。なんと「現金での支払いができない」というのだ。驚くことに、このカフェは、電子マネーとクレジットカードだけしか使えないという、特殊な店だった。確かに店頭には「キャッシュレス」と大きく表示してあった。ついに日本にも、こんな時代がやってきたんだ、と思うとともに、もう少し、頭の固いシニア層にも優しくしてほしいなぁ、などと、ため息をついた。Suicaは持っていないが、ICOCAにも対応していた。さすがにJR系は便利だな。散歩に疲れてカフェに入ったのに、余計に疲れる体験だった。