toggle
2019年02月15日

散歩の途中で「アメ横で下町ロケット」

18時からの東京27期の新年会は楽しかった。門前仲町の駅付近でみんなと別れたのだが、当初の予定では丸の内あたりで、深夜の三次会を目指そうと思っていた、がしかし、もうそんな元気は残っていない。二人で言葉少なくホテルに戻った(笑)。
朝食の女王
ゆっくり眠ったので二日酔いもなく、翌朝早くから、僕たち二人は八重洲のSラベスで朝食を食べることにした。ここは「朝食の女王」という賛辞を浴びるレストランだ。サーモンのスクランブルエッグやら、エッグベネディクトやら、クロワッサンやらと、朝からカッコつけてテーブルに向かった。たしかに美味しい。卵の火入れは完璧だ。とにかくこんなキレイなエッグベネディクトは見たことがない。かわいいウエイトレスもたくさんいたのだが、僕たちのテーブル担当は、元相撲部にいたような、いかつい男性だった。今日の星占いはダメに違いない。コーヒーのお替りもせず、テンションが上がらないまま上野に向かうことになった。

ラテを飲んでる場合じゃない
フェルメール展の会場は上野の森美術館だ。11時の部の予約時刻まで、少し時間があるので上野公園の中をブラブラ散歩してみることにした。僕は夜行列車(たしか急行能登という名前だったと思う)で着いた東京、イコール早朝の上野駅だったこと、そんな学生時代のことを思い出していた。K中くんは、三美祭のときに、不忍池に飛び込んで泥だらけになった昔話を聞かせてくれた。ともに40年以上も前の話だ。
あれこれ昔話に夢中になって、しゃれたスタバを見つけ、ひと息入れよう、と中に入った。予約時刻は11時だが、チケットがあれば問題ない、多少遅れても大丈夫だ。キャラメル・マキアートとチャイ・ラテを注文した。スタバのラテはどれも旨い。店前のテラス席のベンチに、公園の木々の木洩れ日が落ちて、気持ちいい景色だった。もう11時は回っている。ゆっくり飲んで、上野の森美術館へ向かった。

美術館の外壁にはフェルメール作品の巨大な看板が設置してあったり、人がたくさん集まっていたり、長い行列があったりして、盛況なんだと驚いていた。さあ受付に入ろう、と思っていた僕たちは、スタッフの大声の説明に驚いた。「入場チケットをお持ちのお客様は、この列の最後尾にお並びください」。当日券を求める列だと思っていたのは、実は予約チケットを持った人の入場待ちの列だった(笑)。ゆっくりラテを飲んでる場合じゃなかった。

この原稿を書いている時点では、東京展が終了し、2月中旬から大阪展が始まる。著名な作家の展覧会は、高額の入場料からもわかるように、主催者が練りに練った特殊なイベントだ。熱心なファンのためのコンサートに似ている。だからネタバレはまずい。詳しい内容は書くわけにいかない、申し訳ない。
あたりまえだが、本物の芸術はヒトを感動させる、それだけは間違いない。そして来場するヒトが楽しめるような工夫がたくさん用意されている。興味がある人なら、展覧会の専用ホームページがあるので、じっくり確認することをお薦めする。フェルメールは、僕の好きなレンブラントと同時代、同郷のオランダの画家なのだが、個人的には二人の共通点や違いを考えたりすることができて、とても充実した濃密な時間を過ごすことができた。

アメ横で下町ロケット
仲の良い二人なのだがフェルメール展では別行動だ。楽しみ方は一人一人違う。外に出た後、互いの感想を語り合おうと思っていたのだが、歩いたアメ横の喧騒に巻き込まれ、そんなゲージツ気分は、あっという間に吹き飛んだ(笑)。昨夜の約束通り、アメ横の裏通りで、単身赴任中のN川君と待ち合わせした。結局、選んだ店はコテコテの大衆居酒屋で、3人の昼酒が始まった。こんな店にはビールメーカーのロゴ入りの中ジョッキで出てくるレモンサワーが似合う。手にしているのが酒で、テーブルにあるのがモツ煮込みなのだが、目的は酒ではなく、おしゃべりすることだ。女性陣がカフェに入って珈琲とパンケーキでおしゃべりするのに似ている、と強引に考えることにしたい。

彼は巣鴨に住んでいる。お年寄りの原宿と呼ばれている巣鴨には、商店街の店頭にホントに「赤パンツ」が売られているんだと教えてくれた。巣鴨の妖精よっちゃんは見かけたの?という問いには、何のことか分からない様子だった(笑)。
いつしか話題が仕事の話になると、おっさん達は、がぜん真顔になっていく。そして酒をお替りしながら、下町ロケットの話で盛り上がったりしていた。テレビ番組の話ではなく、多くの中小企業の技術力や奮闘の話だ。そういえば上野は知る人ぞ知る職人の街だ。長い歴史を持つ老舗や、名人による芸術のような食器や道具があることを思い出した。そんな頑固な職人たちも、こんなところで酒を飲み、語るのだろうか。さんざん喋って、次回は彼のホームグラウンドで飲むことや、金沢での再会を約束して、彼と別れた。

シメパフェ
帰りの新幹線は上野から乗車することにして、発車時刻までの暇つぶしにブラブラ歩いた。おっさんぽの最後に選んだのは「シメパフェ」だ。和風カフェに入り、栗の黒糖パフェと白玉クリームあんみつを食べることにした。シメパフェは札幌発祥のブームで、酒を飲んだ深夜に「締めの一品」としてパフェを食べるローカルブームが全国に広がったものだ。そういう意味では、沖縄には「しめステーキ」もあるなぁ。僕たちにとってはナンチャンラーメンのことかな。店内は、もちろん女性ばかりなのだが、おっさん二人は一番目立つ中央のテーブルに座り、パフェとあんみつを頬張っていた。恥ずかしさも少しはあるので、食べるのは速い。一気食いで頭が痛くなった(笑)。

帰りは二人とも爆睡で、長野で一回目を覚まし、次に起きたのは、もう富山だった。さあ戻ったら、明日の仕事が待っている。大阪なおみちゃんは、よくやった。嵐の5人も、すがすがしい。若い彼らに負けてはいけない。おっさんは朝から疲労回復に、ユンケルでも飲むことにしよう(笑)。

Other information