スズメの次はカラスだ
ちょっと考えてみたのだが、少しムカついて、人の名前をフルネームで叫ぶとき、というのはどんなときだろう?
僕の場合は、自宅の近くにあるパン屋で「おいおい、はたなかみきお~」と叫ぶことがある。いつ行っても、並んでいるパンが少なくて、欲しかったパンに出会うことがほぼなくて、「いつ来ても残りものばかりじゃないかよ~」などと思って、ひそかに叫ぶときだ。
このパン屋は、どれを食べても実に旨いのだ。だからいつも客であふれていて、駐車場に入れないことの方が多い。それほどの人気店だから、いつも品薄なのだ。少し待っていれば、次に出てくるパンは焼きたて、出来たてということなのだが、せっかちな僕は、そうはいかない。
ちなみに叫んでる名前は、ここの店主のことで、実はそのまま店名でもある。パン屋の店名が、店主の名前フルネームそのままなのだ笑。
この映画の場合は、黒〇華ちゃんが、大きな穴を掘りながら「いるまみちお~、むかつく~・・・」っと10回以上叫んでいた笑。僕のパン屋の話と共通するのは、たしかに怒っているのだが、それはそれでいつものことで、だからついつい許しちゃう、そんなフクザツな心情のことだ。まぁ一種のファン心理かな笑。そういえば相手がひげ面なのも同じだ。
年末年始に封切りされる映画のことを「正月映画」と言ってしまう理由はちょっと分からないが、たしかに、映画好きにとってはあれもこれもと目移りしてしまう時期なのは間違いない。バスケットに青春を重ねるアラフォーの娘たち2人は、映画スラム〇ンクをすでに観ていて、面白いから絶対観ろと催促LINEが届いている。個人的には信長なのだが、家内の興味は違うから、うまく呼吸が合わない。コトー先生は暗そうでボーダーラインかな、ジェームスキャメロンは、なぜか二の次になっている。
結局、家内との息が合ったのは「カラス」だった(スズメの次はカラスだ笑)。前日のテレビでスペシャルドラマを観てしまい、その勢いで翌朝一番にシネコンに向かってしまった。
そういえば、当初のテレビCM(映画の予告編)に、裁判官の「隠し玉」で弁護士がアウトになる草野球シーンがある(もちろん本編にもある)。法曹界の方々は、ありえないよね、などと言うのだろうか。
観ていた僕は、妙に引っかかってしまった。それは、あの星稜箕島戦のことを思い出したからだ。記憶にはあまり自信がなかったから、後日調べてみたら、やっぱりあの延長ドラマの中に、星稜の某が「隠し玉」でアウトを取り、ピンチを脱した記録が残っていた。
あの甲子園の、あのヒリヒリする延長の熱戦の舞台での「隠し玉アウト」は、その後の高校野球にどんな影響を残したのか分からないが、当時はこの映画と同様に、観客はニタリと笑うしかなかったような気もする。
さて、映画のハナシだが、もちろん「職権を発動します」も「ふるさと納税の返礼品」も、やっぱり出てくる。まぁテレビシリーズを観ていた人には、おすすめの映画ってことかな。
このところ、いろいろあって旅に出れない日々が続いている。正月映画は、そんな僕のちょっとした息抜きになっている。だからたぶん、しばらくシネコン通いが続くのだと思う笑。