2017年09月23日
青春のかけら「我がよき友よ」
ほんとに仲の良い友人が何人かいる。人数は多くないと思うが、絆みたいな不思議な強さ深さがあると思っている。それぞれ一斉に仲良くなった訳ではない。何かをきっかけに、何かの共通体験があって友情が形成され、それぞれの友人が共有されていったのだと思う。
出会いは全て高校時代だが、その友情密度が上がっていったのは卒業後のことだ。個人情報は全て共有されていた。恋があり失恋があり、ボケがいてツッコミがいて、裁判での糾弾があって罰ゲームがあった。そんな「幼い友情」の最盛期には、仲間の結婚式なら(呼ばれていようが、いまいが関係なく)披露宴に乱入するほど仲が良かった。結婚式の前日はつぶれる迄飲んで祝った。夏のキャンプは傍若無人で悪さをし、年に一度のクリスマスのときは、子供を外して着飾り、カップルだけで集まって、飲んで騒いでいた。
その後、周囲に大人を要求され、「大人の友情」に変質していくとともに、バカ騒ぎが減り、会う頻度が減っていった。みんな仕事が第一で家族が大事な時期になっていった。仲間と会うのは年に一回の忘年会の時だけ、という時期が長かった。会うたび「あの時は楽しかった」と昔話に花が咲いた。この期間には、転職を期に新しい人生を始めるものが増え、また誰もが第2の人生を考えるようになっていった。
しかし友情にフェードアウトはなかった。仲間が順に同窓会の実行委員会に関わることに並行して、この友情の形が変わっていったようにも思う。過去の話がどんどん減り、これから先の物語へと話題は変わっていった。ここでも最大の転機は還暦かもしれない。よく「残りの人生」と言うが、僕たちの場合は、その登場人物として、家族だけではなく、この仲間と過ごすことが加わっている。
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