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2020年09月18日

痛ぇぞ、バカヤロー

再び、僕のビョーキの話だ。前日の夜から感じていた違和感や軽い痛みは、一晩寝ても消えることはなく、もうはっきり自覚するほどになっていた。朝になって、日常生活が始まるとき、痛くて右腕が上げられないことに気づいた。上げると激痛が走る。そんな痛みが出るのは、右の肘や腕のあたりで、特に「右の肩」の痛みは強烈だった。パジャマを脱ぐときに「痛ぁ」、歯ブラシを持つときに「痛ぅ」と声を上げる。僕はず~っと腰痛と付き合っているから、腰と腕、その場所が違うだけで、大変なことは変わらないのだが、日常生活のささいなひとコマに、全て「痛いっ」と声が重なる(笑)。
腰痛のときと違うのは、右腕を使うときしか痛みがないことなのだが、右腕は、いわゆる「利き腕」なので、右腕って、こんなにたくさんのことをしているのか、などと痛みのたびに自覚することになる。大事な目薬が差せないとか、キーボードのエンターキーが押せないとか、髪の毛にブラシができないとか、トイレで○○ができないとか・・・。痛みのたびに後悔して、左腕でやり直すしかない(笑)。

腰痛のときに通う整形外科の痛み止めのストックを飲んで仕事に出かけることにした。少し痛みは軽くなったような気がする。とりあえず無理をしなければ、大丈夫そうだ。病院へ行くために仕事をドタキャンするほどのことじゃない、と車で出かけた。痛み止め?で痛みが薄らぐと、僕は調子に乗ってしまうのだが、薬が切れるころには、当たり前だが、前回以上の苦しみを味わうことになる。
仕事帰りの富山からの高速道路は、まるで拷問を受けるようなことになってしまった(笑)。運転には左腕も右腕も必要で、それぞれ別の作業をするものなのだ。あまりに痛くて汗までかいている。一人の車内をいいことに「痛ぇぞ、バカヤロー」などと叫びながら、徳光インターを目指した。

痛い右手で書くから、ミミズがはったような問診票になった(笑)。土曜日の整形外科は患者も少なかった。前夜、好きなサバの一夜干しを食べるのにも苦労して、明日こそ整形外科に行こうと観念していた。先生は、ミミズ文字の問診票を見て、症状を確認しながら、テキストのコピーを出して説明し始めた。ここにあるように、おそらく「肩関節周囲炎」、四十肩とか五十肩とか言われる一種の腱鞘炎みたいなものです。一人一人違いもあるので、さっそく、レントゲンを撮りましょう。
40代でなるから四十肩?、五十肩は50代?、年齢による呼び方なのかねぇ、でも六十肩は聞いたことがないよねぇ。画像ができるまでの、そんな僕のオヤジギャグに、若い看護師さんはピクリとも反応しない(笑)。
今度は診断と治療が始まった。レントゲンの画像を指さし、先生の説明が始まる。肩の骨の上の方に白く映っているのはカルシウム、つまり石灰です。あなたの場合、これが悪さをして炎症を起こしている。やはり肩関節周囲炎です。痛みがひどいなら注射すれば楽になりますよ、どうしますか?。流れ作業のように説明が進み、さっそく、その注射を受けることにした。注射は大嫌いだが仕方ない(笑)。

痛いから、もたもたしながら上着を脱いだ。先生は肩の一か所をグイっと押して、ここが一番痛いでしょう、と笑顔で言う。痛いに決まっている(笑)。何やら見覚えのある、あの大きくて変な形をした注射器を先生に渡しながら、さっきの笑わない看護師は「チクリとしますよ」と優しく言ってくれた。一方先生は、針を刺す直前になって「痛いけど我慢ね」とささやきながらグイとやった。痛えぇ、ホントに痛いんだね。チクリ、はウソだ、患者に期待させてはいけない。
もう一か所ね、間を与えず、先生の第2攻撃があった。今度はさらに痛い(悲)。そしてまた、もたもたしながら上着を着た。5分ほど経ったころ、腕を上げてみてください、と先生が言う。あれっ?、腕が上がる、痛みが軽くなった。今は麻酔が利いたような状態で、治ったわけではないから、無理しないようにね。何が無理で、何はしていいのか、などと細かなことは分からないが、これで今夜の晩ごはんには箸が使えそうだ。ちなみに処方された薬は、それぞれ見覚えがあった。いつもここでもらう腰痛の薬と、全く同じだ(笑)。
ちなみに、治療から1週間後の再診のとき、肘にもよく似た症状があると診断された。いわゆる「テニス肘」という腱鞘炎らしい。痛いのなら肘にも注射しましょう、と笑う先生に、今はまだ大丈夫ですと、やんわり断ることにした(笑)。どうやら、60代の僕のビョーキは、五十肩というやつで、60代はもとより、このまま70代になっても付き合うものらしい。おまけのテニス肘もあるのだが、まぁ腰痛の病院と同じだから、それはそれで便利だともいえるね。

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