ホテルの時間「窓を開ければ港が見える」
冬の横浜散歩その4
横浜みなとみらいのホテルと言えば、たぶん誰もが、あの「ヨットの帆」のような独特の外観のホテル(ヨコハマグランドインターコンチネンタル)を思い浮かべると思う。31階建て客室数は約600室の巨大ホテルだ。あの観覧車と同じように横浜の象徴だと思う。
今回滞在したのはこれではなく、同じ系列の、まぁ同じような名前の、小さくて新しいホテルだ(5階建て173室らしい)。あっちが33歳のお姉さんだとすると、こっちは5歳の新しい妹という対比かな。
場所も近いから混同されそうだが、こっちの名称は末尾に「横浜pier8(ピアエイト)」が付いている。小さいが、穏やかな横浜時間が流れる素敵なホテルだった。
このホテルが入居する建物は、三方を海に囲まれた場所(新しい埠頭)にあった。でも第一印象は(ホテルなのに)一見フツーの地味な建物に思えた。
ところが、海側の公園を歩いて横からみると、とても縦長の、つまり長~い長方形なんだと気付く。そしてこの建物の全景を横から見上げると、「あぁ、もしかすると大型フェリーかぁ?」と気付くことになる。つまり埠頭に停泊する大型客船がモチーフの建築物なのだと思う。
たしかに地味な外観は客船の姿のようにも見えてくる。そういえば最初に見たのは船の最後部、つまり「後ろ姿」ということかもしれないな。
ちなみに、ホテルの車寄せも、エントランスも地味で目立たない。でもベルスタッフたちの所作や笑顔、礼儀正しくきびきびした態度は、いわゆる「一流ホテルの匂い」がする笑。
▼ホテルのいろいろアルバム(タップして右へ)
1階入り口の広い風除室を抜けると、目の前に特徴的な(とても独創的な)らせん階段が現れる。なんだこれ?と思うほど異形の階段だ。どうやら1階にあるのはこのエントランス部分だけでフロントは2階にあるようだ。横のエレベーターは使わないで、このらせん階段を登ってみたくなった。
2階は全面がガラス窓で、とても明るいフロアだった。ここにはフロントやロビーそしてレストランが配置されている。ロビーからそのまま外のデッキにも出ることができる。冬の時期はともかく、グリーンシーズンなら外のソファーで港を眺めながら、ゆっくり寛げるのだろうなぁ。とっても開放的だ。
客室は、想像よりはるかに広くて驚いた。インテリアもシックで落ち着いているのだが、ちょっと観察すると「船の客室」を想起させるアイデアが散りばめられている。まぁ上質だけど、どこか楽しい感じかな。
選んだのは港が見渡せる「ベイビュー」の部屋だった。真ん前に新港の景色が(すぐそこに)見下ろせる。シーバスの桟橋や、停泊中の海上保安庁巡視船、右手には赤レンガ倉庫へと続く遊歩道、そして遠くにはベイブリッジも見える。いい感じだ。
それにしても圧巻の景色は夜だ。このホテルの窓は上手に工夫されていて、安全にフルオープンできる。冷たい海風を感じながら眺める港の風景は、人の心をぐっとわしづかみするほど魅力的だった。
▼朝の散歩は格別(タップして右へ)
翌朝は、ちょうど陽が登る時刻に目が覚めた。カーテンを開けると、太陽は海上保安庁の基地の上に顔を出し始めた。北陸育ちの僕にとっては、海の朝日が見れるのはラッキーだ、さっそく朝の散歩に出かけることにした。
早朝の埠頭(ハンマーヘッド公園)は、当たり前だがとても静かで気持ちがいい。ジョギングする人たちにとっては、ここは人気のルートなのかな。誰もが埠頭の突端まで走り、そこからUターンして街へ戻っていく。
海は穏やかで、朝日を浴びた埠頭の景色には例えようのない味がある。夜の港も素晴らしいが、朝はまた違った表情を見せてくれるんだなぁ。
どうやらホテルの場所は新港埠頭8号岸壁というらしい。なるほどpier8(ピアエイト)ってそういうことなんだね。
まぁ、そんな散歩のあとの朝食は格別だ。ゆっくり食べながら今日の作戦を練る。さて、今日はどこへ向かおうかな。