この岸壁の海カフェがすごい
見晴らし、断崖、ごろごろ、秘密基地
春の沖縄海風ドライブその4
今回の旅で、一番行きたかったカフェのことを少し書いてみたい。いわゆる海カフェだ、でもそのスケールやデザインが凄い。
まぁ店名にはカフェと書いてあるのだが、言ってしまえば絶景が楽しめる海の公園みたいなところだ。そこでのんびり風に吹かれて、ドリンクやフードを楽しめるようになっている。カフェだけど、一番のおすすめは敷地内の散歩だ笑、行けば絶対歩いてみたくなる。
場所は、読谷村(よみたんそん)の西海岸だ。実は今回滞在したホテルの横に並んでいる。とはいえホテル専用の施設ということではなく独立したものなので、誰でも使えるカフェだ。沖縄本島の旅を楽しむ機会があれば、立ち寄りスポットとして一番におすすめするかもしれない。
ちなみに、カフェの敷地の中に、カジュアルなレストランもある。なんだかややこしく聞こえるが、要するにここの一番の魅力は、その絶景だと思う。青空スイーツもいいが、夕陽ディナーもおすすめってことかな。
カフェの外観は芝生の丘や、ちょっとした外壁に上手に隠れていて、中はのぞけない笑。専用の長いアプローチを入っていくと「大屋根デッキ」と呼ばれる広いテラスのようなエリアに出る。そこから水平線が見える。まぁ青い空と蒼い海ってやつだ。
外からのアプローチは、そのままオーダーカウンターへの誘導線に続くので、仕組みとすればそこでドリンクやスイーツを注文し、受け取って敷地の中へと入っていく。ようするに座るテーブルを探すような手順だ。
テーブルが並ぶエリアが4つある。ここ「大屋根テラス」そして「海辺のテラス」「ごろごろラウンジ」「岩場のテラス」そんな名前が付いている。どれも面白いから、行く前に調べておいたほうがいいかな笑。文末にアドレスを書いておくので、よかったらアクセスしてみてね。
▼大屋根テラス~海のテラス(アルバム8枚)
ここは、高い岸壁と砂浜の入り江、つまり大自然をそのまま生かして作られた広い施設だ。その崖の上から下の砂浜へと、左右2本の散策路(階段)がある。それを降りて進むと「海辺のテラス」だ。さらに降りると奇岩の砂浜に出る。
階段途中の「海のテラス」のテーブルは屋根付きの小さなデッキみたいなものだ。俗な言い方なら浜茶屋風かな。それが何か所か設置されている。琉球畳の床にぺたりと座って海風を楽しむ感じだ。
子どもたちが、その階段を降りたり登ったりして遊んでいる。まぁ大人も同じだ。こんな僕も、それぞれ2往復してしまった。階段の途中から見える景色がどれも見事なのだ。
▼ごろごろラウンジ~岩場のテラス(アルバム5枚)
大屋根テラスから、そのまま右手に進み、ちょっとした階段を上がると「ごろごろラウンジ」エリアだ。これはしっかりした建物の中に客席がある。まぁスコールがきても快適ってことかな。
特徴はベッドのようなソファーだ。つまり名前のように、ごろごろ寝そべったまま景色を眺めることができる。ドライブに疲れた僕たちもソファーに転がった。そういえば、ここの利用客はなんだか年配の人が多かった気もする。
さらに、この建物の中を進むと、奥に抜け道のような階段がある。しかも深い木々の間を降りていくから、ちょっと怪しい雰囲気もある。階段は長くて、どうやら大きな岩と岩の中間に続いていた。そこに陽が差すウッドデッキ、そして洞穴のような堀座のテーブルがあった。
低いデッキの上にはロッキングチェアーが並び、若い人たちが遊んでいる。まるで秘密基地みたいな場所に思えた。これは面白い。
▼岩場のテラス~奇岩のビーチ(アルバム6枚)
そんな秘密基地から、さらに狭い出口を通って浜辺に出ることができた。そこには見上げるほど大きな奇岩がで~んと並んでいる。おそらく荒波に浸食されて、こんな独特の形になったんだと思う。海岸は岩と波が作った小さな秘密の入江のようになっている。
よく見ると、潮が引いた海面に顔を出してる岩浜には、まるで測ったように、直線に削り取られたような痕跡が見える。表面は平らではないし藻が密集しているから相当古いものだと思うが、表面のゴツゴツした感じは、きっと琉球石灰岩に違いない。さっき残波岬で見てきたばかりだ。
もしかすると「石切り場」だったのかも、そんな妄想が浮かんだ。琉球石灰岩は古くから沖縄の暮らしに欠かせない建築素材だからだ。この浜で切り出した石材で家を作ったのかなぁ、そんな光景も浮かんでくる。
あとからスタッフに確認したら、確証はないらしいが、おそらく石切り場だったはず、そんな結論を持っているようだ。
上のアルバムの最後の1枚はそんな風景の写真だ。現代の若い人たちが楽しそうに遊ぶ場所に、昔の人々の「暮らしの記憶」が形を残したまま眠っていることになる。こういうのって、なんかいいよなぁ。
このカフェ banta-cafe.com
ちなみに店名のバンタというのは「崖」のことらしい、なるほど、まんまだね笑。
この日は「海辺のアートdays」という企画をやっていて敷地内にはたくさんのアートが点在していた。アーティストたちの作品展というより、カフェでアートと一緒に遊ぶって感じかな。なかなか楽しい空間だった。