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2018年03月16日

青春のかけら「合格発表の笑顔の善意」

公式ホームページの原稿を書いている途中、思い出したことがある。桜丘の合格発表の日のことだ。その日、自分の合格発表の掲示板を見るために、さくら坂を上っていた。午前中だったか午後だったかは覚えていない、雨だったか晴れだったかも覚えていない。今なら友人たちと一緒に行くのかもしれないが、シャイなニキビ面の少年は、発表時刻に、わざと遅れて、一人で向かっていた。坊主頭から中途半端に髪を伸ばし始めた頃だ。反抗期だったろうから、どんな口調で家を出たのか不明だが、きっと、ドキドキしながら、悪いことを想定しながら、坂を上ったのだろう。少年にとっては長い坂道だったに違いない。もう校舎が見えるようなあたりにきた頃、坂の上から降りてくる同級生がいた。同じ中学の女子だった。彼女はどちらかと言えばボーイッシュで、会話もストレートで飾り気のないタイプだ。だから、人見知りがひどくて友人が少なかった僕が、話ができる数少ない女子の一人だった。笑顔で自信満々に目を合わせてくる彼女の様子からすると、彼女は間違いなく合格したのだろう。そんな彼女に、わざと「どうだった?」と声をかけた。「受かってた」と笑顔で彼女は応えた。おめでとうと、言えたのかどうかは覚えていないが、彼女が続けた、「大島君も受かってたよ」・・・スムーズにサラリと、そしてハッキリとした標準語だった。適切な表現が見当たらないが、僕は「目が点」になった(笑)。どこの世界に、今から合格発表を見ようとする他人に、さきに結果を伝えるヤツがいるだろうか。いや、目の前にいた・・・。こうして、僕はさくら坂の途中で合格発表の瞬間を迎えた。直後に合格発表の掲示板を見たと思うが、その記憶はない。もちろん分かっている、彼女に悪気などなく、むしろ善意で伝えてくれたのだ。今年のA面の後の二次会では、中学時代のメンバーと話したいと思っている。ぜひ彼女にも会いたいものだ。

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