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2020年06月12日

なんでやろ

いつだったか忘れたが、たしか2~3年前のことだと思う。辰口の8番らーめんにドライブスルーが導入された、という地元紙のニュースが流れた。ドライブスルーはハンバーガーの代名詞だが、その「ラーメン」版ということだ。麺が伸びたりしないのかな、とは考えたが、大々的にやる以上は、技術革新もあるはずだ。きっと何かのヒミツがあるのだろう。そうは思ったのだが、実際に試してみることはなかった。食べたければ近所の8番で、いつでも、出来立てが食べられる。まさか外食の自粛などは想像もしなかった。
そんなある日のこと、8番らーめんのテイクアウトをしてみよう、と思い立った。今日の夕飯はラーメンのテイクアウトだ、餃子や炒飯もやってみようか。さっそく公式サイトで近所の8番を調べて、テイクアウトをやっているかどうかを確認して、電話することになった。時刻指定もできるだろうが、聞いてみたら15分ほどで仕上がるそうだ。それなら今から行こうか、と車に乗り込み、取りに行くことにした。

さすがに駐車場はガラガラだった。除菌スプレーを両手に伸ばして中に入った。店内の奥にはファミリーが一組だけいた。カウンター席は「飛び飛び」に使うように表示がされ、レジには透明ビニールシートが下げられている。容器に入ったラーメンなどを、ちょうど袋に入れているところで、ベストタイミングだったようだ。なんだ10分もかかっていない。
大きなビニール袋の中身は、塩と味噌の野菜ラーメン、餃子&春巻き、ミニチャーハンの4点だ。見た目で言うと、餃子やチャーハンは想像通りだが、ラーメンの容器は、たしかに特製のような感じで、大きなスリーブも巻いてある。きっと二重の保温効果を狙っているのだろう。餃子の臭いが充満する車で、自宅にトンボ返りして、さっそくディナータイムだ。夕方5時はディナーには早いけど、まあいいか(笑)。

料理を並べて、缶ビールを開け、いだだきます、ここまで15分くらいだろうか。そっと開けた容器の中のラーメンは、店で食べるいつもの「表情」のように思う。やや野菜が少ないように思ったり、何かと「アラ」を探してみるのだが、フツーだ。何より熱々で、まだ湯気がたっている。
若い頃、仕事の合間に、カドチョーや街中華の出前を食べていたから、よく分かっている。カツ丼や親子丼はともかく、麺類はスープを吸って、とにかく伸びて、まるで増量したように見た目がひどくなる。特にラーメンは出前に不向きで、汁なしになってしまったものだ(笑)。それに比べれば、申し分のない表情だ。・・・なんでやろ、だな(笑)。餃子や春巻きは、さすがに「しなっと」していて、出来立てとはいかないが、むしろラーメンは想像以上にちゃんとしている。
店で食べるラーメンは、後半になると麺が少々ゆるむのだが、ちょうどそんな感じかな。たしかに柔らかいのだが、ツルツルとしていて、あの日の「伸びたラーメン」とは全く違うものだ。きっと麺の配合や製法が違うのだろう。味はもちろん、あのままの8番だ。中学生の頃からの身びいきだから仕方がないが、僕にとっては十分な品質だった。
やっぱり、なんでやろ、8番なんだな・・・(笑)。

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