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2020年06月19日

はじめてのおつかい、みたいな

緊急事態宣言が解除された。アチコチで営業が再開された。などという話を聞いても、身の回りの日常が大きく変わったわけではなかった。あれもダメ、これもダメ、となっていった頃は、どうするかなぁ、などと思っていたが、人間はすぐに環境に慣れるのだと思う。外食もできないし、街に出れない、などと言われると、それは困ることになる、と当初は思ったが、そもそも、そんなに外食もしないし、街に行く理由もなかった。日頃はやらないことをやってみたり、身近なところに視線をやって、ささやかな変化を楽しむような日々だった。そんな毎日とつきあってきたから、あまり不自由など感じなかったのかもしれない。

とは言え、解除を受けて、天気もいいので、少しためらいながら出かけることにした。青空を見ると「小さな不要不急のこと」がしたくなる。しばらく出かけてないから、どれもが新鮮で「はじめてのおつかい」のような気分だった(笑)。あちこち回ってみたが、実は、その店が、休業していたのかどうかなど知らないので、さほどの感慨はないものだ。
はじめての買い物は、無印良品だ。店内は若いカッブルで溢れていた。特に食品売り場は、みんな買い物カゴを一杯にして、買い込んでいるように見えた。いつものようにレジも渋滞だ。これじゃあ、やっぱり3密状態だな。目当てのキンパ(冷凍の韓国海苔巻き)は品切れだったので、試しに冷凍のビーフストロガノフを買ってみた。ついでに干し芋とか焼きチーズとか、どうでもいいものを買ってしまう。たしかに不要不急の買い物ばかりだ(笑)。
外の駐車場にはマルガージェラートのワゴン(トレーラー)がいる。エアストリーム製で、ジェラルミンの外観がかっこいい。ここも人だかりだ。でも売っているのはカップ入りのやつだけで、いつもの対面販売ではない。でも買ったピスタチオは、いつものように旨かった。

はじめての名所?は「金沢港クルーズターミナル」を選んだ。それなりの混雑もイメージしたのだが、広い駐車場には車があまり停まっていない(笑)。海風が気持ちよいので、車からそのまま港側の広場を歩いた。建物の入り口では検温とか除菌スプレーとか、スタッフが懸命に対応している。建物の中は、まぁ大きな箱で、何もない空間が広がっている。エスカレーターで2階へ上がった。パンフによれば奥の部屋にはジオラマや操船シミュレーターなども設置してあるようだ。体験してみればよかったかな。まぁきっと船舶ファンには楽しい場所だろう。
外の展望デッキは、広々していて、ベンチなんかもあって、目の前の港の景色はなかなか壮観だ。とはいえ、ここに巨大なクルーズ船が停泊すれば、外の景色も館内の喧騒も大きく変わるのだろう。それはそれで楽しそうな気がする。そういえば2階のカフェのメニューには「ソーダ水」はあるのだろうか(笑)。海側のガラスの窓越しで、グラスの中を通る貨物船が観てみたい気もする。でも近すぎて貨物船はグラスに入らないかもしれないな。

はじめての外食として、最初に食べたくなったのは、やはり鶴来の草庵の蕎麦だった(笑)。とはいえ3月頃に来ているから、長いご無沙汰という訳でもない。もしかすると、自粛が始まる頃の、最後の外食も草庵だったかもしれない。きっと静かだろうという予想は外れ、ウエイティングのリストにはたくさんの名前が並んでいて、結局1時間も待つことになった。しかも「のれん」を下げてしまった。驚いた。もう蕎麦切れで閉店なのだ。ウエイティングとは言っても「行列」に並ぶのではない。店の前や、上の駐車場横の林の中に、ガーデン用のイステーブルやベンチが、たくさん設置してあって、利用客はそこで、バラバラに待つのだ。野草や木々の木漏れ日が気持ちいいので、この外のテーブルで、このまま蕎麦を食べてもいいのになぁ、などと思ってしまう(笑)。
店内のレイアウトは変更されていた。いくつかのテーブルを壁に寄せ、壁に向かって食べるスタイルを併用している。苦労して対応しているんだな。聞けば、ず~っと休むとなく営業を続けていたらしい。さすがにGWだけはテイクアウトのみの営業だったようだが、そのとき売っていた新作の「鴨丼」が、その日も販売されていた。「鴨せいろ」と「つけとろ」、いつものやつを注文した。あいかわらず、つけダレの「鴨汁」が旨い。いつものように行儀悪く大きな音を立てて、一気にズルズルすする。しかし、今日だけは意識して、ゆっくり噛みしめながら味わうことにした(笑)。緊急事態から生まれた丼「鴨丼」も、きっと美味しいことだろう。また今度だ。

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