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2018年04月13日

青春のかけら「キラキラ」

ファーストネームに「彦」が付く仲間が3人いる。僕は三彦(さんひこ)トリオと呼んでいる。今どきの子供の名前としてキラキラネームが話題になるが、〇〇彦というのは昭和31年頃に流行した名前なのだろうか。I本くんは、そんな三彦トリオの一人で若い頃からキラキラ輝いていた印象が強い。決してチャラチャラではない。もしかすると仲間の中で一番、男臭いのが彼だ。今でも「下駄」を見るとI本くんを思い出す。どういう理由か上手く説明できないが、下駄は僕にとってのI本くんのアイコンになっている。初めて会ったのは高校2年の修学旅行の宿で、雨の中、傘をさして学ラン姿で僕の前に現れた。そのとき旅館の下駄を履いていた(ような気がする)。ずいぶん長身でスマートな彼と、下駄のギャップが違和感となって記憶に残っている。学生時代に彼の住む富山へ行き、飲んだ後に富山駅前の噴水公園を全力疾走したときも、彼が履いていたのは下駄だった。時が流れ、僕が会社勤めを辞めた時、僕から一番最初に連絡したのは彼だった。同じ「仕事人間」の匂いが強かったのがその理由だ。その正月に彼が珍しく僕の自宅を訪れ、彼の誘いでなぜか「キャッチボール」を始めた。どんどん遠投になり、高いフライを繰り返し、汗だくでクタクタになるまでボールを投げあった。コトバではなく、態度や姿勢で気持ちを伝える、それが彼なりの激励だった。その後しばらくの間、痛くて肩が上がらない日々を送った(笑)。そして何年かの後、今度は彼の方が会社員人生を閉じた。そして農業を始めた。これには驚いた。この原稿タイトルの「キラキラ」は、小田さん(小田和正)の楽曲で「恋ノチカラ」というフジテレビのドラマ主題歌だ。不器用な主人公のラブコメディーだが、なぜか記憶に残り、それ以来、この曲が好きになった。まあ、僕にとっては三彦トリオ、特にI本くんのイメージソングみたいなものだ。

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