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2019年03月08日

散歩の途中で「フードホールの魔力」

ホテルに宿泊するときは「禁煙の部屋」と決めている(喫煙ではなく禁煙の方だ)。なぜなら煙草の匂いは好きではないからだ。本人が煙草を吸うのに、こんな話をすると笑われるのだが、ホントの話だから仕方ない。でも食事の後とか、酒だけの席とかでは、やはり手放せない。そんな愛煙家の僕にとって、大阪の街は優しい気がする。新しい商業施設では、すでに喫煙所が少なくなったのに、大阪は関係なく、便利に、あちこちに喫煙所がある。アンチ東京を思わせるひとコマだと思う。大阪のシニアはうるさそうな気がするから(失礼)、禁煙だ、と言うと、怒られそうな印象すらある(笑)。不思議なほどに独特の活気がある街だと思う。
もう4~5年前になるが、大阪駅北側の再開発事業として「グランフロント」という一大エリアが誕生した。たくさんのビルや三越が入居したLUCUA(ルクア)という尖ったファッションビルが開業していて活気にあふれていた。新しい施設でも、たくさんの喫煙所があった(笑)。ちなみに、そのとき宿泊したRカールトン大阪のバーでは、煙草の煙が、これでもかと店内に充満していて、僕でも閉口したことを覚えている。

4年ぶり?に訪れたLUCUA(ルクア)の地下街がすごいことになっていた。改装によって変貌したらしい。「フードホール」と命名された、いわばフードコートの高級版&現代版(グローサリー&レストラン)が出現していた。このフードホールという名前は、最近あちこちで目にするのだが、ここのそれは、とにかくすごかった。大和もエムザも同じだが、ふつうのデパ地下には食品売り場がある。肉屋、八百屋、鮮魚店、グローサリー(調味料など)が中心で、さらにパン屋、酒屋、さらに総菜(サラダ、串焼き、揚げ物など)の専門店がたくさん出店する。
このルクアでは、そんな店舗がそのまま商品を売るだけでなく、それぞれ、おしゃれな飲食スペースを併設していて、売っているものをそのまま、店内で食べたり、共有のテーブル席(まるでカフェのような共有のフードコート)で食べることができる。

肉屋の店頭にステーキ肉やBBQセットが売られ、それを併設の焼肉グリルで焼いて食べている。鮮魚店は解体ショーの後、そのマグロを刺身や寿司で売り、店内では客が海鮮丼を頬張っている。八百屋の店頭にサラダバーがあって、みんな自分のサラダを作り買っている。何より店内で調理されたばかりの出来立て料理を、総菜のように買って、そのままテーブルに運び、ビールやワイン、生ジュースを片手に、その場で食べ、話し込んでいる。生鮮品だけでなく、専門店の料理をあれこれ組み合わせて、その場で楽しむスタイルは圧巻だ。
内装やディスプレイが計算されていてカッコいいが、おかしな高級感はなく、気取った感じもない。どちらかといえば、大衆的で活力に溢れた大阪的な食事の施設だと思う。大阪恐るべしだ。グループで行くなら、それぞれが好きな店を回って買ってきた料理を、持ち寄って、その場でパーティーが開ける、ということでもある。27期の仲間を誘って行くぞ、などと言ったら怒られそうだが、そんな妄想を誘うほど、楽しい場所なのは間違いない。

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