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2019年07月26日

思い出し笑い

歯医者からのハガキが届いた。もちろん広告DMではなく、3か月前に僕自身が書いたハガキだ。3か月に一度の点検やクリーニングが終わると、会計の時に自分宛てにハガキを書く、それが3か月後に届く、そして予約し歯医者へ通う。そんなサイクルを、もう何年も続けている。
お変わりありませんか?では開けてください。といわれて口を開け、歯磨きが上手にできているかの点検から始まる。歯並びが悪くて、隙間もバラバラ、奥には面倒な位置に親知らずを持ったままなので、3種類の歯ブラシを駆使して歯磨きにいそしむ毎日だ。もう歯磨きは上手になった。そしてクリーニングに入るのだが、僕の口の開け方は大きくはない。それなりに自然にしていると、衛生士さんが上手に作業してくれる。
口を開けてください、というコトバを訊くと、条件反射のように、ある友人の笑い話を思い出す。そして、その思い出し笑いを堪えながら、口を開けたまま、目だけで笑っている、もしかすると衛生士さんは気持ち悪いと思っているかもしれない(笑)。

その友人は話が上手だ。自虐的なネタも豊富で、いつも話していて楽しい。特に医療ものが鉄板ネタで、同じ話を何度聞いても笑い転げる。いわく、小柄で細身な彼は、小さい頃から身体が弱く病気がちなのだが、大の病院嫌いらしい。でも症状がひどいと、仕方なく、我慢して、戦いに向かうような気分で病院へ向かうのだそうだ。
あるときから虫歯がひどくなり、激痛だけでなく、大きな腫れがおさまらないので、歯医者に行ったらしい。指の太い先生が、彼の小さな口?の中へ、強引に指を突っ込み、治療が始まった。もっと大きく開けてください、と強く言われたので、あごに力を入れて、目いっぱい開けたとき・・・、ゴッという音がして、あごが外れた(笑)。
激痛に驚き、涙が出るのに、先生は治療を止めない。「せんせい、あごが、はずれた・・・」と言おうにも言葉にならない。表情や、身振り手振りも加えての、彼の再現話を聞くと、その時のパニック現場が想像できて、とてもおかしくなる。

今日は、衛生士さんの指を、ちらりと見てしまった。この話を思い出すので、僕は口をなるべく開けない。

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