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2019年08月02日

屋上の砂浜で飲むビール

ある春の日のこと、熱海駅に降りた。予定より少し早めに着いたので、駅前で昼ごはんを食べるつもりだ。駅前の商店街をぶらついて店を探そう。さすがにトップクラスの観光地なので、昼どきの商店街はとてもにぎわっている。海産物のお店が多くて、海の気配を感じる。長い行列がついている店がいくつかあった。せっかくなので寿司でも食べようと思い、一番並んでいる店を選んだ。並んでいるということは評判が良いということだ。寿司屋なら、どんなに混んでいても待ち時間は少ないはずだ。狙い通り、時間はさほどでもなかった。案内された店内は、まさにギュウギュウ詰めの状態で、テーブルは相席、そしてテーブルの上の僕たちの領地は、とても狭かった(笑)。せっかくの熱海なので、それなりに無理して高額の盛り合わせを頼んでみたのだが、チャレンジは失敗に終わった(涙)。繁盛店はネタの鮮度がいいはずなんだけどなぁ。

そんな失敗ランチだったが、泊まった宿は成功だった。アイデア溢れる企画や、館内施設がとても充実していて、夕食も楽しかった。その後、ずいぶん遅い時間になったが、宿の最上階に、バーがあるの聞きつけ、急きょ行ってみることにした。エレベーターの最上階で降りて驚いた。なんと、靴を脱いで店内に入るバーだった。そして、さらに驚いた。広い店内の床には「白い砂」が敷き詰めてある。通路以外は、全て本物の砂だ。それが靴を脱ぐ理由だった。内装やテーブルイスは、白と青の組み合わせで、シンプルだ。どうやらビーチサイドをイメージしているようだ。納得する。たしかにビーチにカフェ&バーがあるなら、こんな感じだ。地ビールで一息ついて、利用客が少ないことを幸いに、遠慮せず、広い店内の散歩に出かけた。

大きなガラス窓の脇から外に出ると、宿の最上階なのに広場があった。広いオープンデッキになっていて、照明が暗くて、よく見えないのだが、ウッドデッキの先は、やはり白砂で、寝椅子や天蓋付きのソファーなどがたくさん並んでいるようだ。サイドテーブルの上の小さなランタンの光が、妙に色っぽい。足元に気を付けながら、暗い通路を歩くと、どうやらたくさんのカップルや、若い女性たちが、こんな時間に、この白砂のビーチで寝そべっているではないか。何かと羨ましく思えた(笑)。屋内の席がヒマな理由が分かって、納得した。
明日の熱海は、恒例の花火大会で、このテラスから眺めは最高なんだという。ちなみに熱海の花火大会(海上花火と云うらしい)は春夏秋冬すべてにあって、それぞれ何日も計画されているようだ。今夜のカップルたちは、夜空を眺め、明日の花火をイメージしているのだろうか。でも、今夜は曇りで星も見えないから、雰囲気出ないよなぁ。

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