家飲みタイム「ライムの神様」
最近、ライムを探している。できれば皮が柔らかくて果汁が多いやつがいい。どこのスーパーにも置いてあって、いつでも買えると思っていたが、僕の自宅の周囲には、実はあんまり売られていない。なので、ライムのためだけにスーパーをはしごしていた(笑)。トニックウォーターも同様に、調達に困っている。これも売っていそうで売ってない。だから近くの「やまや」まで行って、多少のまとめ買いをする(笑)。せっかくなので、色んな種類のトニックウォーターを買ってみたりする。そんなとき、ワインや珍しいビールなんかまで、ついつい買ってしまって反省を繰り返す。
いつごろからか忘れてしまったが、最近の家飲みの主役が、もっぱらジントニックになったからだ。ライムがないのならレモンじゃダメなのか、と言われても、僕の場合、ジントニックにはライムが欠かせない(笑)。あのライムグリーンの鮮やかな色彩と強烈な香りがあって初めてジントニックだ。
僕の家飲みは、ハマると、同じジャンルの酒を飲み続ける日々が続く。いわゆる「酒のマイブーム」というやつだ。ウイスキー、ワイン、地酒、焼酎、スピリッツ・・・と数年おきに順にハマっていく。そして一周すると、また別の「楽しみ方」を見つけて、サイクルが始まる、もう40年もそんなことを繰り返している(笑)。若手の蔵元杜氏だけの地酒にハマったり、スペインのブドウ品種だけにハマったり、芋焼酎の麹の違いにハマったり、と、どうでもいいような経緯を経て、しばらくの期間、ある種のオタクになっていく(笑)。
とはいえ、今回のジントニックは例外に近い。そもそも、ジントニックは外で(どこかのBARで)飲むものだったからだ。味は店によってバーテンダーによって変わるから、そんな楽しみは家飲みでは無理だと思っていた。それが、あるホテルのバーで、いろんな組み合わせや、楽しみ方があることを知り、それがきっかけで、自宅で作って楽しむようになった。あれこれ試すのが面白いのだ。
近所で買ってくるライムには、アタリとハズレがある。まるで「ライムの神様」がいるように、1個1個のライムが違う。アボカドにも同じようなことが言えるが、アボカドなら高いやつを買えば、概ね失敗しない。しかし、どうやらライムは違うのだ。素人の僕には運、不運に思えてしまう(笑)。あれこれ飲み続けて、使うジンは固まった。意外なことに安めのボンベイサファイヤだ。冷蔵庫のキューブアイスではだめなので、あちこち試した結果、今はセブンイレブンのロックアイスに落ち着いた。しかしライムだけは神様に頼むしかない。
台所で冷凍庫から氷とジンを取り出して、作り始める。大ぶりのグラスに、ロックアイスを詰め込んで、静かにジンを注ぐ。量は毎回テキトーだったが、最近はしっかり量るようになった(笑)。ライムは、その都度、ナイフで切り出して、氷の上にグイっと絞る。そしてグラスのふちをライムで拭いて、グラスの中に放り込む。トニックは氷に触れないように静かに、たっぷり注いでいく。家飲みだから、満タンにする(笑)。最後に、さっきのナイフでライムを沈める(笑)。僕の場合、ステアはしないのだ。ときどき、魔法の一滴(アンゴスチュラビターズ)を振って、大人味にすることもある。
そして、台所に立ったまま、最初のひとくちを味わう。旨い、と思う日は、ライムの神様、今夜はありがとう、と言ってみたりする(笑)。まぁ、こんなどうでもいい話を書いてしまうと自覚するのだが、一時的なオタクというより、ほとんどビョーキなんだな僕は(笑)。