散歩の途中で「とてもパフェな時間」
その人気のカフェは、野田にある。この日はここで、専用のロングスプーンとロングフォークを両手に握ってファイティングポーズを取り、話題の「パフェ」に立ち向かっていた。でかい、旨い、そしてキレイだ。
パフェは上から順にチマチマ食べてはいけないのだそうだ。「縦に断面を掘り下げるように」食べると美味しいと書いてある。なるほど、いろんな素材や味や食感の違いが楽しい。カフェと書いたが、ここは金沢の老舗八百屋さんが提案するパティスリー&パーラーらしい。ショップでケーキも売っていて、食事もできて、とにかく旬の果物を楽しめる、ということみたいだ。なんとモーニングもやっている。
住宅地の中にあるのだが、広い敷地で木々に囲まれた素敵な2階建てなので、すぐにわかる。少しだけ待って案内され、iPadのメニューに少し翻弄されながらオーダーする。たくさんメニューがあって迷うのだが、パフェが食べたいのは変わらない。季節のパフェの中から、メロンのやつ(正式な名前があるのだが覚えちゃいない笑)と、「ふわ雲」と呼ばれるソフトクリームパフェの中から、ブルーベリーのやつを選んだ。
さっき食事したばかりなのに、60代の夫婦でも苦も無く一気に食べられる。美味しい。そんなパフェは食べる人を笑顔にする。広い店内に客席がゆったり配置されていて、そんな素敵なパフェの時間を楽しめる。会計のときに覗いたショーケースには、フルーツタルトが並んでいる。この日は「メロン」が主役のようだ。夕張メロンのタルトにもそそられるが、メロンを一個まるまる使ったやつは、誰かに見せたくて買ってしまいたくなる。
この店に興味を持ったのはInstagramだった。さまざまなフルーツパフェの写真にそそられて見つけたカフェが、まさか金沢の店とは思っていなくて、しかも「野田」にあると知ってちょっと驚いていた。かつて平和町に住んでいた僕にとっての「野田」は、金沢駐屯地の向こう側にある「昔ながらの在所」にすぎなかった。カブトムシやクワガタを採るのに野田山(前田家の墓地あたり)へと向かう「山の入り口」に農家が軒を並べているイメージかな。
後年、あの畑や田んぼのあたりが新しい住宅地に変身していることは知っていたが、まさかそんな住宅地に、話題のカフェができたとは想像がつかなかった。店は、台地のキワに建っていて、眼下に大桑の緑地や犀川が見下ろせるようだ。天気が良ければ絶景だろうな。一見、不便な場所のようにも思ったが、こんな絶好のロケーションはなかなかないのかもしれない。
野田からの帰路に、近くの大乗寺の丘陵公園へ立ち寄った。今日のドライブ散歩はここで終了だ。たまたま「あじさい」が咲き誇る時期だった。あじさいエリアの散策路を歩くと、色とりどりの違う種類のあじさいが並んでいた。ついついテンションが高くなって、写真を撮り始めた。真上からアップで見るあじさいが、なぜかさっきのパフェのように見える(笑)。まぁここの散歩も、楽しいパフェ時間ということかな。
このカフェ horita205.com