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2021年08月06日

ただ食べたくて「女性お一人様の蕎麦店」

用事がないと行かない街もある。僕にとっては、もりの里とか田上とかいうエリアはそんな街のひとつだ。山側環状を走ることは多いのだが、通過するだけ、車窓から見るだけの街だ。緑が豊かで、おしゃれで、きれいな街並みだと思う。
そんな僕が今日の目的地に選んだのは、田上さくら2丁目?にある「人気の蕎麦屋」だ。もちろん町名や住所を見てもピンとくる訳じゃない。この蕎麦屋のことはずいぶん前から聞いてはいたのだが、すでに店名も忘れていたから、少し調べて店名や場所を確認した。
某紳士服店と某スポーツジムのあいだの狭い小路を入って少し進んだところに、その店の看板を見つけた。周囲は明らかに住宅地なのだが、まるでカフェのような外観の店だった。とても蕎麦屋には思えない。

そもそも、この店の存在を教えてくれたのは、僕より二回りほど若い経営者で、いわゆる食の業界人だ。最近、蕎麦にハマってるんです、どこか良い蕎麦屋はありませんか?、若い彼のそんな問いに応えて、僕はなかば「蕎麦通の先輩」を気どって、アチコチ教えたことがある。彼は若くて行動力もあるから、僕がすすめる蕎麦屋を次々に制覇していく。そんな蕎麦屋の情報を交換しているうちに、いつしか僕の知らない蕎麦屋のことも、逆に彼から教わるようになった。
僕の教える店が、いわば老舗の本格派で渋い店なのに対して、彼がおすすめするのは、いま人気の新しい蕎麦屋のハナシ、ということだ。今日の店も、特に女性に人気の蕎麦屋なのだそうだ。公式HPには「女性が一人で入れるような蕎麦屋にしたい」と書いてある。

店内には白いソファーが並び、明るくてスカッとしている。メニューには一品ごとに写真が添えられ分かりやすい。接客するのは学生アルバイトの女性たちで、ぎこちないが一生懸命という感じかな。だから、たしかに女性のお一人様が似合いそうな気もする。ゆで釜に立ち向かう店主の横顔は若くて、なんだかイケメンのように思える。まぁこれが人気のポイントなのかな(笑)。
で、肝心の蕎麦なのだが、第一印象とは違って驚くほど本格派だった。蕎麦の仕上がりは申し分なく、とにかく旨い。季節の蕎麦としておすすめされた「すだちの冷やかけ蕎麦」は、さわやかな香りとのど越しが素晴らしい。「つけ鴨蕎麦」に使われているのはフランス鴨らしいが、添えられた柚子胡椒で食べると、優しい脂がとても美味しい。だしの味は個人の好みだから何とも言えないが、もう一度来たいなぁ、というのが今日のところの評価かな。

実は、これで2週連続の蕎麦屋通い、ということになる。先週行った蕎麦屋はもはや伝説のような繁盛店で、遅くとも開店時刻の30分以上前から順番待ちしないと入れない。だから今日も「人気の蕎麦屋」というコトバに、そんな一抹の不安を感じて、少し早めに向かうことにした。
着いたのは開店時刻のちょうど30~40分前だ。とはいえ駐車場にも店頭にも待つ人は誰もいない(笑)。なんだ、待つほどのこともないと、近くのミスドで暇をつぶした。蕎麦の前にカフェオレを飲み、おまけに新商品のドーナツも食べるハメになった(笑)。
結局、入店したときには1組しかいない店だったが、食べてる途中で一気に満席になっていった。たしかに若い女性のグループばかりだ。そしてみんなおしゃれに見える。先週の山奥のシニアの店とは大違いだな。
この蕎麦店 soba-kyouka.arunke.biz

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