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2020年02月21日

軽井沢の風景「教会の街」

外国人の避暑地として発展した軽井沢には、やはり教会が多い。当時の外国人をはじめとして、本来は地域の人々の祈りの場所なのだろうが、今では旅人や観光客に安らぎを与える場所として、たくさんの観光ガイドで紹介されている。現在の軽井沢がブライダルの聖地としても人気が高いのは、きっと教会の街のイメージもあるのかもしれない。改装したプリンスホテルにも立派なブライダル施設が生まれたし、観光客で溢れる旧軽銀座の奥にも、素敵なブライダルハウスがある。祈りの暮らしとは無縁の僕でも、教会の神聖な空気感は好きだし、旅人として、ふと立ち寄りたくなる気持ちはよく分かる。

明治の中頃、この地の友人宅に滞在したカナダ人宣教師のACショーさんが、冷涼な気候や風土が、故郷のトロントに似ていることから気に入り、たびたび滞在し、ついには別荘を建ててしまった。これが軽井沢初の別荘なのだそうだ。その後は、彼に追随してたくさんの外国人が別荘を建て、避暑に訪れるようになった。軽井沢の別荘や独特の文化、歴史の一幕はこんな感じで始まったらしい。だから、旧軽通り(旧軽井沢銀座通り)の奥の「つるや旅館」の隣あたりに、ショーさんの記念礼拝堂がある。
旧軽通りには、それ以外にも、知っているだけで3つの教会がある。通りの途中の左手に「チャーチストリート」という名前のおしゃれな商業モールがある。名前からもわかるように、それを抜けたところに、軽井沢ユニオン教会がある。数年前の初冬のこと、軽井沢大会の企画のために27期の男4人で軽井沢を訪れたことがある。いわゆるZ団による下見を兼ねた旅だった。何気なくユニオン教会を訪れたとき、その神聖な空気に圧倒された男4人は、なぜか無口になってしまった。そう言えば、Y萩くんが教会のイスに一人座って、ぼ~っと雰囲気を味わっていたっけ。そんな彼の後ろ姿を思い出した。

中軽井沢の星野エリアの左手の森の中に「ブレストンコート」というホテルがある。今ではブライダルホテルとしてCMなどで有名になったホテルだ。事前にアポを取ってあった僕たちを迎え、営業の責任者らしい女性スタッフが館内を案内してくれた。当初は、ここをコアタイムの同窓会の会場にできないかと、考えていたからだ。さすがに、どのフロアも個室も、リゾート感にあふれていて素晴らしかった。だが5月はブライダルシーズンだから予約で埋まり、価格も高くて断念することにした。その森の敷地内には、ふたつの教会があって、式がなければ、どちらも解放されていて誰でも立ち寄ることができる。特に石の教会(内村鑑三記念堂)の存在感は圧巻だ。

もうひとつの軽井沢高原教会は、ホテルの真横の林の中にあって、自然な木々や草花と一体になった姿は、とても美しい。CMにあるように、式のときには、教会の入り口あたりから長いバージンロードが設置される。娘を持つ男親は、少し妄想してしまう感じだ(笑)。ふと気づくと、若いスタッフたちが、森の中に無数のランタン・キャンドルなどを配置している。中央のシンボルツリーも色鮮やかなオーナメントに飾られてクリスマスムード一色というやつだ。
教会や周囲の写真を撮りながら、そんな光景を眺めていると、若い女性スタッフが笑顔で走り寄ってきた。聞けば今晩17時に、クリスマスに向けての「点灯式」があるので、ぜひ寄ってほしい、ということだった。予定があって難しそうだ、と断ったのだが、いまから思えば、無理して行ってみれば良かったと後悔している。男4人の夕方は、アウトレットをうろついたり、居酒屋で生ビールを飲んだりしていただけだ(笑)。あの神秘的な森の景色を体験したかったなぁ。軽井沢大会のために、星野エリアのホームページを見ていて、そんなことを思い出していた。
ブレストンコート blestoncourt.com
石の教会(内村鑑三記念堂) stonechurch.jp
軽井沢高原教会 karuizawachurch.org

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