ねこ、いす、みみず、すずめ
コロナが気にならないわけではないが、映画はしばしば観に行く。換気設備が完璧だから、むしろ安全で身近なレジャーなんだと思う。
そんな映画を見終わったあとは、何となくだが、外食チェーンで食事するようになった。この前はお好み焼きで、今回は寿司だ。寿司の替りにPOPが回っているのは最近のハヤリらしい。二人連れなのにボックス席に案内されたから、今日は特急レーンで寿司が届く笑。
あのタブレットでの注文は面白い。そんな最近の回る寿司は(回ってないけど)日本のカルチャーとして、インバウンドに受けるんだろうなぁ、などと思ったりする。コロナのあいだに誕生した、料理を運ぶロボットとか、あの冷凍自販機のギョーザだって、インバウンドの話題になるのかもしれない。
冬だからと、香箱蟹や白子を(どちらも軍艦なのだが)食べてみたりした。まぁ合格だった笑。シマアジやカワハギも旨かった。細かなことを抜きにして、とても楽しい夕食だ。蟹の顔なんて意識したことはないのだが、生き物としては妙に不気味な表情に見えたり、軍艦に乗った白子が、とてもグロテスクに思えたりする笑。まぁこれは、さっき観た禍々しい(まがまがしい)映像シーンの影響なんだけどね。
さっき観てきたばかり映画は「Sずめの戸締り」だ笑。とても素晴らしいアニメ作品だから、日本のみならず世界から注目されるのは間違いないんだろう。
ある日、深夜の番組を観ていたら、S海誠監督とN田洋次郎くんが出ていた。「君のNは。」や「T気の子」そして今回も、その劇伴(劇の伴奏音楽、今回は映画音楽ということかな)は、3作品ともN田くんによるもので、それを深~く掘り下げる番組だ。二人の強い関係性はとても興味深かった。
たとえば、悲しいほど美しい風景、それを支える音楽、というオファーに、どう応えたのか、などという視点でハナシが進んでいく。独特の映像美で描かれた世界観には、N田くんの劇伴(音楽)が欠かせないのだと納得した。音楽が息を吹き込むとも言えるのだろうが、映像と音楽の親和性が高くないと、この感動は生まれないのかもしれない。すごいなぁ。
S海監督の作品だから、いずれ観に行こうと思っていたのだが、この番組の影響で、さっそくシネコンに向かうことになったのだった。
その翌朝、自宅の庭の隅っこに黒い猫がいた。いわゆる「地域ねこ」で、わが家の飼い猫ではない。しばしば庭のベンチで勝手にひなたぼっこしているから、近親感もわいてきて、僕はホワイトソックスと呼ぶことにした(黒猫だけど足先だけ白いのだ)。オスかメスかもわからないが、僕はオスだと思い込んでいる。なにしろ彼は態度が堂々としていて、ふてぶてしいのだ笑。
少し先で、小さな鳩が2羽遊んでいて、彼?はじ~っとそれを見つめている。サッシ戸を開けると猫の目だけが僕の方を向く。相変わらずの無表情なのだが、何か、しゃべりはじめる気がして、僕はそそくさと戸を閉めてしまった。昨日の映画の影響なのは間違いない笑。
この庭には、小学校の工作で娘が作った木製の小さなイス(4本足だけど)も出すことがあるし、なにしろ大きなミミズが住んでいて、よく出てくるのだ笑。あいにく、今いるのは鳩で、スズメではないのはご愛敬かな。まぁ本編のスズメは人間だから、関係ないか笑。S海監督が描くヒロインは、いつも魅力的なキャラクターばかりだ。
いったい何のことを言ってるのか分からない方は、ぜひ映画館でこの作品を見たらいいと思う。面白いからおすすめだ。
1月の風は冷たい。もうすぐ雪になるらしいのだが、晴れた日を見つけて、この庭で焚火がしたくなった。
総集編が終わったら、相棒K中と二人で祝杯を上げることになっている。意表を突いて焚火を囲んで、シングルモルトのロックあたりで乾杯するのも悪くない。それならきっと、あいつは乗ってくる。
ダウンでも着こんで庭で遊ぼう。つまみは何がいいかなぁ、あいつのことだから生ハムやチーズはないかとか、ソーセージを焼けとか言い出すかもしれない笑。僕としてはメスティンで作る「イトメンのチャンポンめん」がいいかな。
彼がこの映画を観てるとは思えないから、ねこ、いす、みみず、すずめの話でもして、ちょっと煙に巻いてやろうかと思ったりする笑。まぁ誰かに話したくなる映画なのだ。