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2023年08月11日

炎天下の危険なミッション

謎の指令は「おはよう、フェルプス君」で始まる。指令の声は若山源蔵さんだ。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する・・・。そんな指令が終わると、有名な5拍子のテーマ曲に乗って、導火線に炎が走り、ダイジェスト映像が流れる。
当局ってどこのことなんだ、などと思って観ていた気もする。1960年代後半から1970年代まで続いた人気のアメリカのドラマだったそうだが、僕たちが観たのは、その後の再放送だった可能性もある。その15年後には、新スパイ大作戦という続編もあったそうだから、観たのはそっちかもしれない。ちなみに、どちらもリーダーはフェルプス君らしい笑。優秀なスパイは、なかなか引退できないのかもしれないなぁ笑。
唯一顔を覚えている俳優さんは、あのエンタープライズ号のスポック役だった人だ。なぜか、巧妙なマスクをかぶると、声まで変わって、見分けがつかなくなる。そんな無茶苦茶な設定だったはずだ。
どっちにしても、テレビ版を見ていたのは僕たちの世代までだろうから、今の人たちがあの5拍子の曲を聞いて思い出すのは、映画版の方かもしれない。ちなみに映画のタイトルは英語のままで、邦題のそれは出てこない。

この日は映画シリーズの最新版(シリーズ第7作)を観に行くことにしていた。午後のすいてる時間を狙うつもりだ。で、それまでに、片付けなければならない「ミッション」が、僕にもあった。
まぁ、世界の人たちのために危険なミッションを引き受けるイーサンとは違って、僕のミッションは、とてもみみっちい。そして、まぁそれなりに(僕なりに)危険なことも、ないではない。連日の猛暑の中、今日こそは庭の芝刈りをやってしまわないとダメなのだ笑。
66歳の僕にとって、危険なのは熱中症のことだ。いつだったか、無頓着な僕は、芝刈りに熱中していて「熱中症もどき」になったことがある。いわゆる視界が急にホワイトアウト状態になってフラフラになったのだ。最初は軽い立ち眩みかと思ったのだが、鼓動まで激しくなって、うまく動けなくなってしまった。
あいにく家には誰もいなくて、僕は一人、冷凍庫の保冷剤や氷を総動員して、首や脇の下をアイシングしたり、無理やり冷水をがぶ飲みしたり、七転八倒だった。そんな素人対応の甲斐があったのか、症状はおさまり事なきを得た。
すでに体力などはなく、軟弱な体質になってしまった訳だから、その日以降は、とてもナーバスに対応するようになったのだ。

この天候は雑草にとってはベストらしく、このまま放置すれば庭は彼らに占拠されてしまう。せっかく刈り揃えた芝生の庭は、その攻撃で見る影もない。
事前に水分をとり、いわゆるOS-1(オーエスワン)や水のペットボトルを並べ、おかしなコスチューム姿で、準備運動にいそしみ、涼しい午前中を選んで、雑草との戦いが始まった。職業としてこんな猛暑と戦っている人には笑われそうだが、素人の発想はそんなものだ。
まず「雑草の大物」たちを中腰作業で片付け、電動芝刈り機で順調に作業を進めていった。ところが途中でマシンの部品が外れ、上手く操れない(つまり壊れたのだ)。僕の戦闘能力はガクンと落ちてしまった。そうこうしているうちに、電源コードを「刃」に巻き込んで断線してしまい、マシンは動かなくなった。まぁ僕の戦いは中断するしかなかった。ミッションは失敗だ笑。
映画の中のイーサンたちも、ミッションの途中で様々な難問やトラブルに見舞われるわけだが、僕のそれは、映画と違ってすこぶるカッコ悪い。順調だったのは、こまめな途中休憩と水分補給くらいだ。

大事なマシンが壊れて、低いテンションのまま観ることになった本編(シリーズ第7作)だが、ハナシのスケール(世界観)は大きくて、やっぱりアクションが素晴らしい。まぁ予告編や事前の広告は凄かったが、本編はさらに凄い。実は、観たのはパート1で、後日パート2が放映されるらしい。
ちなみに僕は、あの大量の水分補給がたたって、上映の途中で2回もトイレに立つ羽目になった。うまくいかない日は、とことん運がない笑。
さて、僕の芝刈りのパート2は、数日後に実施され、庭の芝生に平和が戻った。この映画のパート2も必ず観ると思うが、その日に芝刈りをすることは、もちろんやめておこうと思う。

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