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2023年09月22日

散歩の途中で「4年ぶりの商店街で」

今日は高円寺を散歩しようと思う。とはいえ歩くのは昼間の商店街ばかりになる。実は先に下北沢へ寄ろうと思っていたのだが、軟弱なシニアなので酷暑を理由に断念した笑。今日は高円寺一択だ。
現代の高円寺は、役者やミュージシャン、芸人なんかの「卵たちの街」のような印象がある。まぁ昭和カルチャーのカケラが残っていて、シニアの僕にはどこか懐かしいし、商店街がたくさん(8~10箇所ほど)あって、現代の若者には住みたくなる街なのかもしれない。
下北沢にも同じ匂いを感じていたのだが、生まれ変わったようなので新しくなった街の顔が見たいだけだ。まぁ、どっちの街にも興味がある。

地下鉄の駅は高円寺の南のほうにあって繁華街から離れている。着いた僕たちは駅から出て、近くの商店街へ入っていった。あとから知ったことだがルック商店街(新高円寺通り)という謎の名前らしい。商店街というと魚屋さんとか八百屋さんとか、地域の生活のための商店が多いイメージかな。もちろん高円寺にもあるのだろうが、ここは少し静かで、古着やアクセサリーのお店が目立つ感じかな。
ここから北へ10分ほど歩いて向かうと、途中からアーケードの商店街に繋がる。そこは別の商店街らしい。アーケードを抜けるとJR高円寺駅だ。駅に近づくにつれて街の熱気がどんどん上がっていくのが肌で分かる。そのまま駅の高架下をくぐって北口へ出れば、もっとすごいことになっているはずだ。有名な純情商店街(高円寺銀座商店街)あたりは、今日だけは避けた方がいいかもしれない。たぶん大混雑だ笑。
この日は、高円寺の商店街にとって、というより高円寺に暮らす人にとって、たぶん1年で一番熱い日なんだと思う。気温も高いから暑いのだが、言いたいのは住民の熱気のことだ。この日は、あの「高円寺阿波おどり」の当日だからだ。
商店街では多くの店が店頭にテーブルを並べてビールやつまみの料理を売っている。地方のお祭りにつきものの「プロの屋台」ではなく、商店街の人たちの手作りの屋台ばかりだ。僕たちもビールやワインを買って、飲みながらの散歩を始めることにした笑。

パンフレットによれば、阿波おどりの演舞場(踊る会場)は8か所あるのだが、イメージで言えばどれも「商店街」の道路そのものが会場になる。夕方17時になると、踊り手たちは連(れん)という単位で、この8か所の演舞場(各商店街)を踊りながら抜けていく。今回参加する連は110チームあるらしい。
道幅が狭ければ狭いなりに、広ければ広いなりに、隊列のバリエーションや演出を変えるのだそうだ。だから観客は、何時間も前にベスポジの場所取りをしながらスタートを待つのだ。もちろん待つあいだの酒やつまみは必須だ。
この土曜日曜の二日間に、延べ9,000人の踊り手と、およそ100万人の人が押し寄せるといわれる夏の大イベントなのだそうだ。日本中の祭りやイベントと同じように中止が続き、実に4年ぶりの開催らしい。だから僕も4年ぶりの高円寺だ。
100万人?という数字の真偽は分からないが、高円寺駅の構内は一方通行になり、北口は「入る人専用」、南口は「出る人専用」になるようだ。それほど人であふれるのは間違いない。まだ始まる1時間ほど前なのだが、駅前広場には、あのDJポリスが登場して、さかんに交通規制をしている。まぁすでに人出はハンパなさそうだ。
●この日の街の雰囲気(タップして右へ)

お祭り騒ぎの商店街は、めちゃくちゃ元気だ。こんな光景は見るだけでもワクワクする。真昼間から堂々とお酒を飲んでいられるってのは、こんなジイジだって嬉しくなる。まるで高円寺の街全体が居酒屋になる、そんな空気が楽しいのだ。
駅の高架下には「高円寺ストリート」という、ある意味で有名な飲食街がある。ストリートという洗練されたものではなく、古くて暗くてディープな昭和っぽいエリアだ。高円寺を象徴するような飲み食いのスポットで、雑多で多彩な人であふれる。
およそ夜しか似合わないエリアなのだが、たくさんの飲食店が、扉を開け放ち、外にイステーブルを並べて、どこも大盛況だ笑。こんなところで飲んでいたいが、そろそろ歩けなくなる時間だ。阿波おどりが始まれば、もう身動きできなくなる。衣装を着けた踊り手たちの移動準備も始まったようだ。
あちこち歩いた僕はもう汗だくなのだが、最後に寄ったバルのレモンサワーを片手にちょっと一服だ。まぁ今日の水分補給はアルコールばかりだなぁ笑。
●高円寺阿波おどり2023(タップして右へ)

人気店のピザも買った。ラザニア専門店のそそるやつを2種類、そして缶ビールも買った。スペインバルの名物パエリアは行列で断念したが、ソーセージはある。でも踊りが始まると、食べるどころではなくなる。17時とはいえ外はまだまだ暑いし、踊り手も観客も熱いのだ笑。
4年ぶりの高円寺阿波おどり2023は凄かった。前回とは違って、たくさんの工夫や演出が加わって、バラエティー豊かになった気がする。何より若々しいのが特徴だ。本番が中止されていた期間に、踊り手たち(連)が様々な苦労や準備をしたのだと思う。
イベントを運営するのは商店街の若い経営者や仲間たち、ボランティアも学生や高校生ばかりらしい。そんな若者たちの本気の「お祭り」は、大人を巻き込み、役所や警察を動かし、街全体に広がって、65年余の歴史を重ねている。
終了時刻の20時ジャストに踊りが終了する。ホントにピタリと終わり、沿道からの大拍手が贈られる。そこからスタッフとボランティアの大活躍(撤収搬出と清掃)が始まり、ジャスト30分後に大通りの交通規制が解除され、車が入ってくる。運営は見事だと、いつも感心させられる。
彼らが仕掛けた「日中の喧騒」はホントに楽しいし、若い彼らの懸命な作業風景を見ていると、とても清々しい気分になる。地域の活性とか自慢のイベントというのは、こういうことなんだとつくづく思う。僕たちの地元の〇〇〇まつりも、こんな雰囲気になれば楽しいのになぁ。

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