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2023年12月01日

七里ヶ浜で「世界一の朝食」

秋の鎌倉散歩その3
鎌倉2日目の朝は、6時すぎに目が覚めてしまった。睡眠時間は十分だ。なにせ昨晩はバタンキューで早く寝てしまった笑。早朝のホテルの近くを少し歩いてみようか、と着替えたのだが、足腰がめちゃ痛い笑。結局、フロントに降りて珈琲を飲み、新聞にひと通り目を通してゆっくりした。無料の珈琲(地元の珈琲豆らしい)なのだが、意外に旨い。

2日目の今日の目的地は、鎌倉旅の定番ばかりだ。長谷寺や大仏さん(高徳院の鎌倉大仏)、そして戻ってきて鶴岡八幡宮だ。鎌倉殿の13人の記憶は薄らいでしまったのだが、やっぱり行かねばならない笑。
もちろん、僕のことだから、別の目的もある。ひとつは「世界一の朝食」、そしてもうひとつは、とある一軒家の「カフェ」だ。寺社仏閣が好みの家内とは意見が合わないが、僕にとっては有名な古刹より優先順位が高い笑。
ちなみに、二人そろって意見の一致を見たのは「江ノ電での旅」だった。できれば、アチコチ途中下車して楽しみたい。お得な江ノ電1日乗車券もあるようだが、無計画な僕たちには値引き特典は無用だ笑。ちなみにSuicaもICOCAも使えるからとても便利だ。
まず今回は「世界一の朝食」のハナシを届けようと思う。2編続けて「食べる散歩」のハナシを書くから、その前編みたいなことだ。

朝の江ノ電は静かだ。まぁ乗り込んだのは7時過ぎだから、観光客などほぼいない。昨日のような混雑はやはり午後からなのかもしれない。先頭車両の運転席の真後ろあたりに座って、気分は「乗り鉄」くんだ。民家の軒先のすれすれを走る江ノ電の運転手目線も楽しいし、停車する駅舎の様子を見るのも楽しい。
窓越しに何枚も写真を撮ったりして遊ぶのだが、線路とか、駅名の看板や時刻表ばかりで、何の風情もない写真ばかりだ。やっぱり駅は、ちゃんと降りて、旅人目線で撮った写真でないと意味がないよな笑。
ゆっくり走る江ノ電は、由比ヶ浜、長谷、極楽寺の各駅を過ぎ「稲村ヶ崎」という駅を越えたあたりで海(相模湾)に出る。朝の海は穏やかできれいだ。江ノ電の駅名はどれも何となく覚えのある名前だと思うが、どれもサザンや映画、ドラマやアニメの舞台だからだ。
そして僕たちは「七里ヶ浜」という駅で降りた。ちなみに、この先の「鎌倉高校前」には有名な踏切がある。あのスラ〇ダンクのシーンに出てくる聖地らしい。昨日も踏切を通る電車(僕たちが乗ってた)に、たくさんのスマホが向けられていた。坂道から海をバックにその踏切を通る電車を狙うアングルだ。

七里ヶ浜の駅は無人駅だった。でも周囲はちょっとした高級住宅地っぽい気もする。駅から海岸への坂道を降りたところに、お目当てのレストラン「ビルズ七里ヶ浜」がある。そこで提供されている「世界一の朝食」を食べにやってきたのだ。
このレストランはシドニー(オーストラリア)が発祥で、有名セレブたちを虜にして大きな話題を呼び、15年前に日本にやってきた。今では銀座をはじめ東京や大阪に何店かあるのだが、ここ七里ヶ浜が日本の1号店だ。創業者(ビルさん)が選んだベストな場所だったそうだ。確かにここは素晴らしいロケーションだと思う。
レストランと書いたが、彼の料理はスクランブルエッグやパンケーキ、つまり卵や野菜など身近な素材感を生かした「ライトミール」だ。それを独特のセンスで磨いたのが特徴なのだが、日本では「朝食」という表現しか見当たらないのだと思う。カフェと書くにはレベルも料金も全く違う笑。
ちなみに、有名な一皿に「リコッタチーズのパンケーキ」がある。日本上陸後はその味とスタイルが話題になり、店舗のセンスもいいから評判になった。まぁかっこいいのだ。それが日本の今のパンケーキブームの発端になった。世間の人たちが食べてるやつの源流、ということかな。
●このレストランのアルバム(タップして右へ)

この日、僕たちが食べたのは、もう一つの代名詞スクランブルエッグの「フルオージー・ブレックファスト」、そして「季節フルーツのフレンチトースト」なのだが、やっぱりどちらも絶品だった。付け合わせのサイドに選んだアボカドですら、旨いと感じる不思議な説得力がある。
ここのスクランブルエッグは、よくある「ふわふわ」って感じではない。意外にしっかりしていて、でもトロリとした食べ応えがある。テーブルの塩と胡椒を好みで使うのだが、付け合わせのグリルトマトと一緒に食べると美味しいことを発見した笑。
フレンチトーストは、スタンダードな角切りパンを使うタイプなのだが、軟弱なスイーツではなく、これぞ卵料理だ、と思うほど旨い。ベリーソースとヨーグルトがさわやかでピスタチオがいいアクセントだ。とにかく美味しい。
7時オープンなのに店に着いたときは満席で列が付いていた。利用客はおそらく近所に住む普段着の人たちばかりで、小さな子供連れのご家族も多い。スタッフは若い女性ばかりなのだが、サービスが何かと行き届いていて感心していた。
一緒に外で待っていたのはペット(犬2匹)を連れた若いマダムだった。スタッフは、クローズされていた外のテラス席をテキパキ整えて、犬と一緒に案内してくれる。室内のテーブルも悪くないのだが、あのテラス席に座りたくなった。たぶん風が気持ちいいと思う。銀座のビルズも良かったが、この店は別格かもしれない。

食べたあと、僕たちは店を出て、目の前の海岸へ降り、波打ち際まで歩くことにした。海岸の砂は黒っぽくて、波の白さが目立つ感じかな。右手には江の島があるのだが、左手の太陽はまだ低くて、朝の陽射しが優しい。
旅の朝ごはんは、やっぱり大事だ。ちょっと早起きして遠くまでやってきたのだが、大正解だった。料理もサービスもそうだが、何よりこのロケーションもご馳走だ。今日一日が楽しく始まる気がする。

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