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2024年01月12日

誰もがクリスマス気分になれる森の夜

冬の軽井沢散歩その2
軽井沢の夜は早くやってきた。午後の太陽がゆっくり降りてきて、周囲の山々の木々に隠れ始めると、急に暗くなる。そして気温も急落する。この晩は、氷点下6℃だったらしい。ここまでくると寒さを通り越して、冷たくて痛くて、もう笑うしかない。
今夜の夕食は、宿の食事をパスして、外に出ることにしていた。予約した小さなレストランまで、ゆっくり歩いても10分ほどの距離なのだが、宿のスタッフが車で送迎してくれるらしい。ラッキーとばかり、そのサービスに乗っかることにした。僕は寒さに、てんで弱い笑。
予約したのは、なんと17:00だ。そんなに早いのには理由があった。実は夕食の後に、この近くで開催される夜の屋外イベントに参加するつもりだからだ。
イベントの名前は「星降る夜のクリスマス」という、まぁ印象で言えば、若いカップルにお似合いのイベントだ。つまり僕たち老夫婦は例外参加みたいなことになるのだと思う。まさか森で遭難する(笑)ことはないだろうが、酒は控え目にしなけりゃならない。
●小さなレストランでのアルバム(タップして右へ)

予約したレストランは、中軽井沢の人気商業施設「ハルニレテラス」にある。夕暮れになると施設全体がクリスマス一色になっていた。小さな玄関ドアを開けると、左右の棚にワインがずらりと並んでいて、左手のショーケースには、とても美味しそうなデリが何種類も並んでいる店だ。
以前から知っていて、ワインを眺めるために何度か入ったことがあるのだが、デリとワインのショップ(物販店)だと勘違いしていた。実は奥にレストランスペースがちゃんとあると知って、今回、予約することにしたのだ。どうやらオーナーソムリエとフレンチシェフの店らしい。
おすすめはコース料理らしいのだが、今夜はワインバーのように気軽にやろうと思う。黒板で見つけた安曇野放牧豚のポルケッタをメインにして、オードブルや軽めの皿で楽しんだ。合わせてくれたグラスワインはさすがに旨かった。
さて酔わないうちに、夜のイベントへ向かおう。会場はちょっとした山の中(森の中)にある。この森は、人気のブライダルホテルの敷地で、そこには「軽井沢高原教会」がある。イベント会場は教会周辺の広いエリアだ。
●森のクリスマスイベント(タップして右へ)

森の中はひときわ寒かった。気づくと雪が舞い降りている。氷点下に降る雪は、地面に落ちても消えることはなく、風と一緒に道路の左右に流れる感じだ。それにしても森はきれいだ。よくある人工的で派手なイルミネーションではなく、どちらかと言えば手作り感あふれる質素な感じだ。敷地には無数のランタンが優しく灯っている。電気ではなく全てローソクで、スタッフたちが期間中毎晩一本ずつ点火するらしい。
僕たちは、それと同じランタンを借りて、手に持って散策路を進む。中央にある大きなクリスマスツリーには、今夜の小さな雪がとても似合っていた。今日はダメだが晴れていればきっと、森で見上げる星もきれいだろう。小径をゆっくり順に歩くだけで、優しい気持ちになり、誰もがクリスマス気分に浸れる。
教会での音楽礼拝や弦楽三重奏とか、クリスマスレターなどのプログラムも実施されているのだが、僕たちは、この「氷点下の森」に、そんなに長居はできそうもない、やっぱり寒い笑。
実はこのイベントは予約できた人しか入れない。何年か前にスタートし、たちまち大人気になって、会場だけでなく周辺の交通も大混乱したようだ。コロナをきっかけに予約制になったらしいが、それでも期間中の週末の予約は、受付開始時刻のクリック戦争が激しいらしい。まるで人気アーティストのコンサートみたいだ笑。
予約客はやっぱり若いカップルが多い。僕たちは主催側のホテル宿泊客(三つのホテルがある)なので、ルームキーを見せると入場券をもらえるのだが、それでも少し列に並ばないと入れない。ちなみに会場には何か所か「写真映えスポット」があって、そこにも撮影待ちの列がある、やれやれ笑。
明日のイブ、そして最終日のクリスマス当日は、きっと凄いことになるんだろうなぁ。

凍える氷点下の散歩はこれで終了だ。僕たちはホテル間の周遊シャトルで宿に戻ってきた。まずはラウンジの熱いお茶で一服だ。そして誰もいないスパの大浴場のぬるめの湯に、ぼ~っと浸かっていた。生き返った笑。
部屋に戻って撮った写真を見直していたのだが、やけに枚数が少ないことに気付いた。そういえばスマホってやつは寒さに弱いと聞いたことがあるなぁ、などとスマホのせいにしようとしたのだが、もしかすると手袋のままシャッターを押してた(押したつもりだ)から、それが原因かもしれない。
まぁ、写真は少ないが、何かと思い出に残る夜の散歩になったのは間違いないかな。

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