どんなカフェにもある推しメニュー
この日やってきたのはアピタタウン金沢ベイ、いわゆるショッピングモールだ。ここにあるハワイアンカフェがずいぶん人気らしいと聞いて、日曜日の朝ごはん代わりに使ってみようと思い立った。
テーブルに運ばれたパンケーキの大皿を見て、思わず笑った。注文するときにメニューの写真を見ていたはずなのだが、いざ実物が目の前にでてきたら、こんな僕でも驚いた。まるでマンガだ。
そういえば、と思いなおして再びメニューブックを開いたら、商品名は、ホイップタワーパンケーキというらしい。なるほどタワーね笑、文字通り、てんこ盛りのホイップクリームが皿の一角に上手に立っていた。
目の前に座る家内と、この山盛りのホイップクリームは、どこかで見たことがあるなぁ、と気付いたのだが、二人とも店名が出てこない笑。そして、ひと呼吸おいて思い出した。オアフ島で食べたエッグスンシングスのそれに似ている。正しくは、似ているのはホイップクリームの方で、パンケーキ自体は形もタイプも違う。ここのやつは、いわゆる分厚いスフレパンケーキだ。まぁ今っぽいってことかな。
老夫婦は、ずいぶん昔(10年以上前のことだ)のそんなことを思い出しながら食べることになった。覚えているのは、まぁ待たされたことや、がっかりしたことも含めて、色々だ。
そんな会話をしたり、写真を撮ったりしているうちに、どうやら、このタワーが少し傾いてきた、やばいかも笑。
一緒に頼んだアボカドハンバーガーも届いたから、さっそくパンケーキをシェアしたのだが、このタワーは簡単に倒れて、皿から飛び出しそうになる笑。ちなみにハンバーガーも、無駄に重ねたやつで、食べにくそうだ笑。
当時の日本は(つまり10年以上昔)、すでにパンケーキブームが始まった頃で、それゆえかハワイのパンケーキ店の華やかさが話題になっていたんだと思う。たしかもう一軒、カフェカイラ(カハラ地区にあった)という店も有名だったのだが、そっちは行けなかった。
そもそもアメリカ本土のパンケーキは地味な日常食だ。まぁ朝ごはんかな。薄くて小型のパンケーキが何枚も皿に並ぶのが普通だと思う。日本のホットケーキは「甘いおやつ」って感じだから使われ方が違うけど、地味だということは共通かな笑。一方で、当時のハワイのそれは派手で、映えるやつだから注目されたのだと思う。
その1~2年後になって、このエッグスンシングスは日本(原宿)に上陸した。僕も食べに行ったのだが、すぐに断念するほどの行列だった。その後のブームは凄い。日本のあちこちに「パクった」ようなパンケーキがあふれていった。
今では、カフェを名乗る店なら(チェーン店も個人店も)、どこにも推しのメニューとしてパンケーキが必須アイテムになっている。仕事柄だが、僕が使う郊外型のカフェには、どの店(ブランド)にも独特のパンケーキがあるから、僕はけっこう高い確率で食べている、まぁ好きなんだね笑。
さて今日のこの店のことだ。内装はシンプルでテーブルはゆったりしている。雰囲気はともかく、ハワイアンカフェだから、ロコモコもタコライスもガーリックシュリンプも売っていた。そうそう、アサイーボールもスムージーも、つまり定番は揃ってるようだ。
まぁ、どれも食べていないから味のことは分からないが、ちょっとしたハワイ時間が流れているのは間違いない。しかも驚いたことに、この日の(この時間の)利用客は、それなりの大人の人たちばかりだった。
僕にとっては不便な場所にあるから、次はいつになるか分からない。でも大好きな「ライオンコーヒー」が飲める店はここしか知らないから、僕は、珈琲のためにやってくるのかもしれない笑。