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2024年05月09日

隅田リバーウォークと浅草ポッピー通り

春の浅草散歩その1
ホテルの正面を出て道路を渡ったところに浅草のランドマーク浅草寺(せんそうじ)の本殿がある。時刻はちょうどお昼時なので、このホテル辺りでも小さな飲食店にランチ難民の列が付いている。たぶん雷門や仲見世通りはもっと凄いことになってるはずだ。
そんな日中の混雑は容易に想像できるから、人混みを嫌って反対方向(隅田川方向)へ向かうことにしている。「すみだリバーウォーク」を歩くつもりだ。隅田川にかかる鉄道専用の鉄橋に新しく付設された歩道橋の名前らしい。
橋を渡れば「東京ミズマチ」というお洒落な商業施設があるし、その先にはあの「東京ソラマチ」つまりスカイツリーがある。でもソラマチはある意味で日本一の観光地だから、混雑嫌いの僕たちは腰が引けている。出来れば避けて通りたい、行くたびにそう思う場所だ笑。
晴天で気温はどんどん上昇中だから、少し歩くだけで汗をかく。でも歩き始めてすぐに、ビルとビルのあいだにスカイツリーが見えて、ちょっとテンションが上がったりする笑。

隅田リバーウォーク~東京ミズマチ(隅田公園)~ソラマチ(スカイツリー)
隅田公園というのは隅田川の川沿い、しかも両岸にある緑地だ。地図で言えば川の左岸が浅草、右岸が向島かな。春の桜や夏の隅田川花火大会で有名な公園だが、もちろんそんな時期に来たことはない。すみだリバーウォークはその両岸の公園を歩いて渡り、行き来する歩行者専用の橋だ。
浅草側の緑地の土手に立つと隅田川に吹く風がとても気持ちいい。スカイツリーがすぐそこに見えるし、右手のビルの屋上には金色の「う●こ」のオブジェがある。あのAサヒビールの本社だ。ちなみに金色のそれは「金の炎」なのだそうだ笑。
歩道橋とは言っても少し工夫があって、撮影の映えスポットがあったり、透明ガラスから川面を見下ろしたりできる。そんな楽しい散歩道だ。でも電車のための鉄橋の下に、後から歩道橋をくっつけた訳だから、頭のすぐ上を電車がゴーゴー通り過ぎていく。
東京ミズマチは公園に面した素敵な集合施設でカフェやレストランやショップが軒を連ねている。僕たちは「のれん」に惹かれて和菓子店に入った。豆大福と冷抹茶に何となく下町の風情を感じたり、ヤケクソのような量のあんみつに若い職人の心意気を感じたり、そんな休憩タイムになった。
ここまで歩くと、スカイツリーの先っぽは、もう真上に見上げるような感じだ。つまりすぐそこなので、せっかくだからとソラマチへ向かうことにした。まぁタクシーを捕まえるなら、ソラマチの方が確実だからだ。
でもそれは失敗だった。タクシー乗り場は一番向こう側の押上駅の前なのだ。仕方なく、人で沸き返るソラマチ館内を進むしかなかった。やれやれ笑。
●隅田川界隈のぶらぶら写真アルバム(右へスライド)

染太郎~浅草ホッピー通り~浅草六区~浅草寺
タクシーで浅草に戻ってきた。吾妻橋を渡り「雷門」の前を通りぬけ、その突き当りで降ろしてもらった。お好み焼き染太郎という古い店を訪ね、その足で浅草六区やホッピー通りを歩きたかった。
そのタクシーの運転手さんはたまたま浅草出身の人だった。浅草寺がずいぶん昔から観光地なのは変わらないのだが、一番変わったのがホッピー通り周辺なのだそうだ。今は若い人たちで賑わっているが、以前は競馬で勝った負けたという「おじさん」たちが一人で飲んでる汚い街だったそうだ。
たしかに日陰の裏通りを進むと暗くて湿った感じがする。運転手さんが言っていた光景が大げさではないのかもなぁ、と思ったりする。繁華街には表の顔と裏の顔があるものだ。この街には戦後復興の闇市に始まって、当時の娯楽のすべてが揃っていた。つい最近までいわゆる反社の世界も残っていたはずだ。
そんな路地裏を抜けると「ホッピー通り」に出た。まだ3時半くらいなのだが、通りの両側の居酒屋はどこも満席状態で、つまり真昼間からみんな酒を飲んでいる。陽気に飲んでいるのは若者たちばかりで、以前の競馬おじさんの姿は皆無だ。
ちなみにBートたけしが通った居酒屋「捕鯨船」が六区通りにあるのだが、開店を待つ人の行列ができていた。浅草Kッドだったかなぁ「煮込みしかない鯨屋で~♫」という彼が渋く唄う歌詞が浮かんだ。この街には芸人たちの悲哀も染み込んでいるのかもしれない。そんな不思議な気分になる街なのだった。
●浅草ホッピー通り界隈の写真アルバム(右へスライド)

そんな時刻になっても人が絶えないから、やっぱり混雑する仲見世通りは避けて、浅草寺を横から突っ切り、本堂(観音堂)でお参りだけ済ませて、さっさと出てきた。そろそろ太陽は低くなってきたのだが、まだまだ浅草寺の活気は続くようだ。

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