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2024年05月17日

おっさんは「古傷が痛む」と言いたがる

いつもの同級生のおっさんたちと飲むと、久しぶりやなぁ~と話が弾む。でも話題は近況のことばかりで、馬鹿をやってた昔バナシに花が咲くことはめったにない。誰もがこんな年齢なりの平凡な日々を、自然体で過ごしているからだろう。
とはいえ、会話をきっかけに、遠い昔の失敗を思い出すことはある。たぶん全員ある。ただ会話のネタにしないだけだ。ネタにすれば必ず突っ込まれてダメ出しされる、そんな古傷ばかりだからだ笑。この晩はなぜか中学校の頃を思い出したのだが、自分一人で昔の記憶にしばし浸った。まぁこれは甘酸っぱい古傷ってやつかな。
何かと周囲がバタバタしたGWが終わって、ちょっと落ち着いた頃、K-Dreamの練習に顔を出した。ある楽曲が始まったとき、スマホで探した歌詞をなぞりながら、今度は大学生の頃を思い出した。
当時は、いわゆる学生運動はすでに終わっていたのだが、僕の近くにはそのカケラが残っていた。イデオロギーとかいう流行り言葉を使う、笑顔のない学生だったかな笑。行き場のない閉塞感の中でもがいていたような気もする。もう胸にしまって忘れたはずなのだが、歌詞の中にそんな自分がいる気がした。古傷ってやつは、ある日ひょっこり現れる。

玄関横の植込みがボーボーに伸びてきたからと、この日は朝から剪定作業をしていた。電動の「生垣バリカン」というやつと剪定バサミが相棒だ。素人作業だからきれいに整う訳もないのだが、電動マシンの処理能力はやはりすごい。
ひと通り刈り終えて、さぁ今度は剪定バサミで仕上げだなぁ、そう思ったとき、右足の「ひざ」に激痛が走った。ひどい痛みで立ってられず、でも座ることもできず、痛い右足を宙に浮かべて片足だけで立つしかなかった。
この痛みは、あの「ぎっくり腰」に似ている、まるで「ぎっくり膝だ」などと、どうでもいい独り言を呟いた笑。まずは安静にしなきゃぁと、とりあえず、反対の足でケンケンしながら家に入り、這うように進んで椅子に座った。
安静にしながら、これは中学1年の時の古傷の再発だ、そんなことを考えた。ひざを痛めてギブス姿だった中学生のころを思い出したのだ。でもそれは右だったか左だったか、もう忘れてしまっている笑。

痛みは徐々に治まって、10分ほどで立てるようになった。持病の腰痛のために常備してあるバンテリンを膝に塗りたくったおかげかな笑。でも膝に力は入らないし、曲げると痛む。その後、ちゃんと歩けるようになったが、右ひざだけ違和感がず~っと残っているから、念のために近所の整形外科へ向かうことにした。
長い待ち時間のあいだ、僕の頭の中は「古傷の再発だ、その痛みだ」と決めつけているわけだが、検査の結果は何も見つからず、加齢によって出てくる、よくある症状ですね、と判断された笑。概ね高齢者の場合は、加齢による半月板の損傷(変形するらしい)の可能性が高いそうだが、レントゲン画像では「きれいな膝です」ということらしい。
古傷の痕跡もなく、痛みもないし、水も溜まってないということで、注射もMRIでの精密検査の必要もなく、抗炎症薬(痛み止めかな)などを処方されて帰路についた。

膝のレントゲンの時から、病院が用意した検査着?(ハーフパンツ)に着替えるのだが、なぜか色は鮮やかなショッキングピンクだった。ぶかぶかのピンクのパンツ姿で診察室に座るおっさんの姿は、ちょっともの悲しい笑。
さて、つくづく思うのだが、おっさんは何かと大げさなのだ。まぁちょっとした感傷に浸って、古傷が痛むというフレーズを使ってみたいだけなんだと思う。

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