散歩の途中で「ぶらり、宇都宮餃子」
秋の日光ぶらり旅・番外編
駅のタクシー乗り場なのに、タクシーがまったく来ない笑。だからタクシー待ちの行列は全く進まない。どうしたんだろう、何かあったのかなぁ。ここは宇都宮駅だ。日光もそうだったが、そもそも栃木県のタクシーは少ないのかなぁ。
旅の帰路、わざと途中下車して宇都宮で遊ぼうと思っていた。行ってみたい場所があったのだ。新幹線の時刻までの3時間ほどあるから、たぶん余裕で往復できるはずだ。で、駅に戻る途中の繁華街?で、あの「宇都宮餃子」を食べてビールを飲もう、そんな作戦だった。
目的地は「大谷資料館」という名前だ。名前は似ているが大谷翔平選手の野球資料館ではない。大谷と書いて「おおや」と読む。大谷石(おおやいし)という有名な石材の地下採掘場の跡地だ。
大谷石(おおやいし)は宇都宮の大谷地区で採掘される石材だ。名前を知らなくても、おそらくどこかの建築物の建材として見たことがあると思う。それくらい有名で、よく使われているはずだ。独特の風合いがあって、あのフランク・ロイド・ライト氏が帝国ホテルに使って有名になったのだそうだ。
実は、昨日泊まっていた日光の宿の玄関や暖炉にも大谷石が使われていた。敷地入り口には大きな大谷石の塊に宿の名前が彫り込んであった。宿の看板みたいなことかな。新しく日光に作った宿だから、あえて地元の大谷石を使ったのかもしれない。
僕にとっては、かつて一緒に仕事をしていた建築設計の先生のお気に入りの石材だったから、久しぶりに先生のことを思い出した。
いつだったか、テレビの番組か何かで、その大谷石の「採掘場の跡地」の映像を見たことがあった。巨大な地下空間に作られた秘密の地下宮殿のように見えた。そこがこの「大谷石資料館」だった。だから機会があれば訪れたかった。
下の資料写真を見れば「あぁここは見たことがある」という人が多いと思う。独特の空間だから、映画やドラマのロケ地とか、写真集や映像にもよく登場するらしい。
まだタクシーは来ない。だんだん雨も強くなってきた。なんか段々テンションが下がっていく。で、せっかちな僕は、結局行くのをあきらめて「よし餃子を食べよう」と、簡単に方針転換することにした。再び〇〇先生の顔が浮かんだ。先生ごめんね。
さて餃子だ。宇都宮には200軒もあるらしい。食いしん坊の僕のことだから、もちろん人気の店(まずは王道の店)は事前に調べてリストしてある。特に定義はないようだが、肉やニンニクが控え目で野菜多めでさっぱり、ということらしい。
たとえば体表格の「M」という店は「焼き餃子」と「水餃子」だけで、ライスもビールもないそうだ。おおよそ一人で焼き×2皿、茹で×1皿をテーブルに並べてパクつくらしい。それで終日行列だというから、ちょっと腰が引ける。
どっちみちタクシーに乗れないから、駅の近くで探すしかない。で、すぐに見つけた。リストの上位に入っていたやつだった。想像よりはるかに若々しくて現代的な店だった。でも大人気なのは変わらない。さっそく列の最後尾に並ぶことにした。
下のアルバムは、その店の写真だ。もしかすると新しいタイプの宇都宮餃子なのかもしれないが、ここの餃子はめっちゃ旨かった。
●宇都宮餃子某のアルバム(タップして右へ)
店のスタッフたちはみんな若くて元気で、とても活気あふれる店だった。ウエイティングの列の真ん前で、若い女性スタッフが3人並んで、黙々と餃子を握っている。でも目が合うとニッコリ笑うし、カメラを向けるとピースサインをしてくれる。いいね笑。
この段階ではランチメニュー(お昼専用)だった。焼き餃子(一皿5個)が3種類、それに水餃子(一皿2個)が7種類、単品でもいいし、ライススープのセットとかフォーを組み合わせることもできる。ふ~んなるほど、とても現代的だ。
パクチー?、麻辣(マーラー)?、クルミカレー?、あきらかに新型の餃子が加わった楽しいメニューだった。伝統的な宇都宮スタイルではなく、次世代向けの餃子なのかもしれない。
水餃子が2個なのは、ランチだけらしい。たくさんの種類を食べてほしいから、そう若い女の子が説明してくれた。なのでさっそく定番の焼き餃子、そして水餃子(いわゆる茹で)を3種類(プレーン、ホタテ、えび)注文した。もちろんビールも2種類だ笑。
餃子は大ぶりでとても肉肉しい、何よりジューシーで驚くほど旨い。どうやら肉はミンチではなく小さなサイコロカットなのだ。そして餡に野菜と生姜だ。タレは好みらしいが、店の推しは酢コショーだった。宇都宮の流儀なのかな。
僕たち老夫婦は、これでもうお腹いっぱいなのだが、周囲のテーブルは全く違う。たくさんの餃子を一度にテーブルに並べて、片っ端から食べてる感じだ笑。
どうやらランチタイムが終わり、ディナーメニューに入れ替わる時刻らしい。ランチの単位は2個なのだが夜は5個になるそうだ。だから、焼き餃子をお替りして、変化球のやつ(柚子と生姜、クルミカレー)も頼んでみることにした。
結局、あの大きいサイズの餃子を20個も食べてしまったことになる。とにかく旨かったし十分に堪能できたから、これで餃子はしばらく食べなくても大丈夫かな笑。