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2025年03月28日

彼の還暦を祝う日

この土曜日の夜は彼ら夫婦と4人で食事することになっていた。この日は彼(僕の9歳年下の弟)の誕生日で、そのお祝いにと、兄の僕がカッコつけてレストランに招待したのだ。彼はこの日に還暦を迎えることになる。
来年古希を迎える僕は、自分の還暦のころを思い出していた。この公式サイトもそうだが、27期同窓会との関係が深~くなったのは、還暦がきっかけだった。ふた回り目の人生・・・そんなことを考えるのが還暦なのかもしれない。

去年の暮れになって、あぁそうか、来年あいつは還暦なんだなぁ、と気付いて、例の「赤いちゃんちゃんこ」を手配したことがある。毎年恒例の兄妹家族の新年会に際して、その会場の店(店長さん)に用意してもらったのだ。
ところがその日の店は、正月だから忙しくて(たぶん大混乱していて)、店長は出すのを失念してしまった。まぁ企画した僕も忘れていたから同罪なのだが、結局、弟のちゃんちゃんこ姿は実現しなかった。後日、そのたくらみの失敗を知った弟は、胸をなでおろしていた。
今回(還暦を祝うお誕生会)の連絡をしたとき、返信メールにはお礼とともに「赤いちゃんちゃんこは勘弁してね」とコメントが付いていた。これはリクエストか?とも考えたが、今回はイタリアンだから、ちゃんちゃんこはきっと置いてない笑。

彼ら夫婦は、5月にイタリアへの旅に出かけるのだという。いつだったかそんな話を聞いた。いまから思えば、彼らにとっては、いつになく大事な計画のお披露目だったのかもしれない。まぁ羨ましいかぎりだ。ベネチア、ミラノ、フィレンツェ、ローマだったかな、けっこう長めの旅程を楽しそうに教えてくれたっけ。
この夫婦はいわゆる旅好きで、国内はもちろんだが、しばしば海外へ出かける行動派だ。ヨーロッパの旅の話も何度か聞いたと思うが、意外にもイタリアは初めてらしい。彼らには珍しく、パックツアーを探してそれをカスタマイズする予定だそうだ。
英語圏なら問題ないがイタリア語はチンプンカンプン、治安のことも気になる、まぁそんな理由みたいだ。前回のドイツだって英語のことは同じだろう、と突っ込みたくなったが、彼らにとっての今度のイタリア旅は、それくらい大事なんだと納得することにした。
まぁそんなこともあって、お祝いの食事に選んだのがこのイタリアンだった。ここのオーナー夫妻は、簡単に言えばイタリア旅のベテランだからだ。きっと各地のディープな話を色々教えてくれる。

さて、お誕生会だ。イタリアのクラフトビールで乾杯して、順に料理を選ぶことにした。僕は、彼らが訪れる都市や州の料理をこっそり探してみたりする。例えば、ここの鶏のバター焼きはフィレンツェ由来だったはずだ。おすすめの黒トリュフのタヤリンはピエモンテ(ミラノ)だと思う、まぁそんな感じだ笑。
とはいえ専門家ではないから詳しくは分からない。ベネチアの名物料理ってなんだっけ?とか、ローマは何でもありだから今回はトリッパかなぁ、などと、ひとり言をいいながら、お遊びみたいに選んでいく。もちろん各自好きなやつを追加したから、どんどん料理が出てきて、すぐにお腹いっぱいになった。
ワインでひと息ついて、僕が席を離れたタイミングで、どうやら店のママと彼らの、イタリア旅のハナシが始まったらしい。席に戻ったときには、すでにママの独壇場だった。たしかに他人の失敗談はとても面白い。
もちろん店には赤いちゃんちゃんこはなかったが、最後のドルチェのときに店からのサプライズがあった。シェフが演奏するマンドリン?(小さなギターみたいなやつ)でのバースデーソングだ。でも、僕達じいさん&ばあさんの合唱は何かと恥ずかしい。

ちなみに弟夫婦は大の猫好きだ。彼らの国内旅行の目的地には「猫の街」「猫の宿」がたびたび登場する。
後日知ったことだが、アマルフィーは猫の街らしい(しかもイタリアの猫はパスタを食べるらしい笑)。そんな話を教えれば、彼らはたぶんアマルフィーへ行ってしまうんだと思う。さて、どうするかなぁ笑。

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