時が止まったようなレトロな純喫茶
知る人ぞ知る人気タウン西荻窪
夏の中央線ぶらり旅その3
三鷹から高円寺へ向かう帰り道だった。せっかく三鷹まで来たのだから少し街を歩こうか、と考えなかったわけではないのだが、やっぱり止めにした。何となくだが隣の吉祥寺もパスした。
三鷹には27期同級生との記憶もあるし、吉祥寺は後年しばしば遊びに来ている。どちらも楽しい街なのは間違いないのだが、今回はもっとマイナーなところがいい笑。へそ曲がりの夫をもった相方には申し訳ないが、吉祥寺の隣の駅「西荻窪」で降りることにした。
もちろん来たことのない街だ。だから調べてみたら、これは行ってみたいなぁと思わせる喫茶店がいくつかヒットした。イマドキのカフェではなく、古いタイプの純喫茶って感じかなぁ。喫茶店ファンの僕にとっては聖地みたいな街に思える笑。

西荻窪の通称は「ニシオギ」というらしい。吉祥寺と荻窪という人気タウンに挟まれた駅なのだが、その「不思議なゆるさ」が特徴の街なのだそうだ(アド街の解説)。
かつては文化人が暮らしたお屋敷が多かったらしい。彼らが家を手放す際に書籍や家具を売ったことから、現在も古本とかアンティーク家具を扱う店が多いのだそうだ。落ち着いたカルチャーが息づいているのかな。
たとえばミシュランガイドのビブグルマンに選ばれた店が7軒もあったり、たとえば閉店した店の記憶が大切にされたり(伝説の喫茶店や究極のかつ丼専門店)、たとえば古い喫茶店で若者たちがチルしているのが特徴なのだそうだ。
ちなみに「チルする」というのは、のんびりとくつろぐ、リラックスして過ごすことを意味する若者言葉だ。「不思議なゆるさ」というのはそんなことかな。

北口を出て、駅前の通りを歩いてその喫茶店を目指した。この道には「西荻一番街」と表記がある。まぁ商店街という訳ではないのかな?、歩いている人は皆無だ。
車も走っていない静かな道なのでのんびり歩いていた。ふと背後に圧を感じて振り返ったら、それは吉祥寺行きの路線バスだった。クラクションで知らせることなく、僕たちが後ろに気付くのを待っていたのかな?。ニシオギはバスですら優しくのんびりしてる気がする笑。
小さな公園の真向かいにその喫茶店があった。シックな白壁に特異なオブジェをつけたような独特の外観だった(ちょっと入りづらい笑)。そこに「物豆奇」と店名が書いてある。これで「ものずき」と読むらしい。
太い古材を粗く削った柱とか、そんな柱を組み上げたテーブルとか、とにかく独特な雰囲気の店だった。僕たちは「炉端」の席に座った。自在鉤(じざいかぎ)に鉄瓶が下がっているから、ホントの炉端なのだ笑。
壁にはたくさんの「掛け時計」が掛けられている。どれも年季の入ったアンティーク時計ってことかな。指してる時刻はバラバラだから動いてるわけではないのだが、これも独特のムード(レトロな感じ)の立役者だ。
何組かの先客がいるのだが、お店はとても静かだ。壁の古い時計と同様に、時が停まったような雰囲気ってことかなぁ。
▲▼この喫茶店はこんな感じ(アルバム7枚➡)
メニューに並ぶ品々もレトロだ。せっかくだからシフォンケーキとアイスミルクティーとか、(夏なのに)ホットココアとか、昔懐かしいやつを選んだ。やっぱり、どれも懐かしい味だった(昔の喫茶店の味を思い出すことができる)。
さっきまで静かだったが、若い女性たちとか、欧米女性のお1人様とかが続いて、ほぼ満席になっていった。でもやっぱり静かだ。彼女たちも、きっと「チル」しているに違いない。
ちなみにラックに置いてある雑誌は、サライとdancyu、そしてビックコミックとオリジナルだった。ちょっと懐かしくてゴルゴ13を読んでみたりした(まだ連載が続いているんだね)。
と、そのときボ~ンという大きな音が3回続けて鳴った。掛け時計が3時を知らせたのだ。どれも動いてないと思っていたから、聴こえてちょっと嬉しくなった。でもどれが鳴ったか分からない笑。
ゆるい時間だったなぁ。ごちそうさまでした。
▼商店街とか飲み屋街とか(アルバム7枚➡)
帰り道の八百屋さんの横に、小さな鳥居を見つけた。この脇の小路の先にお稲荷さんがあるようだ。そんな素朴な感じがとてもいい。
駅の反対側(南口)にはアーケード街もあった。その天井には有名な「ピンクの像」がぶら下がっている。ようするに街のシンボル(オブジェ)なのだが、秋の例大祭にはお神輿としてこの象さんが担がれるらしい笑。やっぱりお祭りも優しい感じだ。
こんな優しい街の駅裏には、きっと古い飲み屋街もあるはずだ、とアーケード街の裏通りに入ってみた。やっぱりあった笑。これまた見事な飲み屋街だ。陽が落ちるころには、ここも「ゆるく優しく」呑ん兵衛たちを迎えるのだろう。
ニシオギはいい街なんだなぁ。









