饅頭売場で足が止まる男
正直なことを言うと饅頭が好きだ。正確に言えば「あんこ」好き、さらに、あんこは「つぶあん」にとどめを刺す。金沢にはたくさんの和菓子の名店があるのだが、そんな贅沢な好みはないので、スーパーの78円の饅頭で十分に欲求が満たされる。今日も薄皮まんじゅうを買ってしまった。いつものことだ(笑)。
自宅の近くに「圓八」がある。あの「松任のあんころ」だ。残念なことに「こしあん」なので仲良くなれるわけではないが、包みを開くときの一種のワクワク感は何にも代えがたい。これくらいの大衆的なやつがいい。
酒のみは甘いものが苦手なんだという。特に日本酒好きのオジサンが言いそうなセリフだ。でもそれはカッコつけて言っているだけだと思う。日本酒は辛口だと言っても十分甘いので、甘さが苦手なはずがない(笑)。
東京のデパ地下の和菓子売り場は、あんこ好きにはパラダイスだ。はるか遠くからでも2台巨頭「とらや」と「たねや」の大きな暖簾が目立つ。あえて御三家というなら「叶匠寿庵(かのう・しょうじゅあん)」が加わるだろうか。たまたま、この日は大丸東京の叶匠寿庵で「万歳楽」という巨大な栗入りどら焼きを買った、大丸東京限定品らしい。とにかく大きくて、笑ってしまうほど栗が入っている。誰も見ていなければ、両手で持って重さを実感しながら、大きな口を開けて頬張りたい(笑)。
京都の哲学の道の途中にも叶匠寿庵がある。ここは売店というより、カフェのような茶店だ。若王子から銀閣寺へ向かうと右手あって、琵琶湖疎水にかかった小さな橋を渡って暖簾をくぐる、そんな素敵な茶店だ。和菓子のデザートがメインだが、特製の弁当も美味しかった。
2年前に実施した、27期の大人の修学旅行・京都編のとき、Z団のオジサン6人が、暑さのあまり店の真ん前で立ち止まったのだが、おなか一杯で入れなかった。哲学の道は桜の名所だが、季節外れで見れなかったから、いつかまた桜の季節になったら、Z団のオッサンたちと、京都の桜を見に訪れようか。そのときは、おはぎか花見団子だな。僕だけじゃなく、彼らも隠れ甘党のはずだ。間違いない。