toggle
2019年08月30日

駅伝ドライブ「ツリーハウスのススメバチ」

その宿は熱海の港を一望できる山の斜面に立っていた。斜面に面したエントランスから入ると、大きな吹き抜けのロビーで、3フロアにまたがる広いガラス窓から、熱海湾が見下ろせる。たまたま大きな豪華クルーズ船が入港している最中だ。そのガラス窓の横にはクライミング・ウオールがあって、子供たちが上まで登っている。チェックインを済ませ、裏の山の方に出ると、広い斜面と密集した樹木や大木をうまく使った樹上アスレチックのコースが設置されている。高さ9mもあるコースは、子供たちだけでなく大人も十分スリル感を味わうことができる。もちろんハーネス付きで安全だ。
その横に、大きなクスノキを使った本格的な「ツリーハウス」がある。高さ22mというから、まさに空中基地のようなイメージだ。ひと組30分のルールで貸し切り状態で楽しめる。フロントでピクニックスタイルのお菓子とドリンクを買い、狭い階段を順に上まで登ると童心に帰るようだ。サプライズで飛んできたスズメバチが、ジュースのカップの中に落ちたので、ふたをして溺死させた(笑)。子供の頃にも虫やトカゲで、同じように遊んでいたことを思い出していた。

ここで1泊して、翌日はクルマで箱根に向かった。行ってみたいパン屋が、ふたつあったからだ。ひとつ目は芦ノ湖だ、芦ノ湖までなら30分ほどで着く。芦ノ湖の湖畔に、ベーカリー&テーブルという行列の人気パン屋がある。とてもおしゃれな建物で人だかりだった。並んで買ったパンを2階のカフェで楽しむことにした。
芦ノ湖を出発し、小涌谷から宮ノ下へと向かった。この道は、正月の箱根駅伝の復路ルートだ。小涌谷の「小涌園」とか、宮ノ下の「富士屋ホテル」は、箱根駅伝の中継の時に映像や解説でよく出てくるから、知名度だけは全国区だと思う。
大学駅伝ファンの僕は、少しウキウキしながら箱根駅伝のルートを走り、富士屋ホテルに立ち寄った。ここがふたつ目のパン屋だ。富士屋ホテルは由緒正しいホテルで、箱根の象徴のようなクラシックな建物だった。ベーカリーを見つけて、有名なアップルパイを買い、さらに「カレー」も見つけて追加した。このカレーも有名だ。せっかくだから、クラシックな館内を散策することにした。重厚な家具やインテリアで飾られ、そのまま美術館のような風情だった。館内には独特の空気感があって、利用客はみんな紳士淑女に見えた(笑)。

クルマはさらに駅伝のルートに沿って走り、箱根の山を降りて箱根湯本から小田原に出た。駅伝の小田原中継所が設置されるのは「鈴廣かまぼこの里」という商業施設だった。小田原のかまぼこは有名だが、ここは「かまぼこの遊園地」のようなところで、ものすごい観光地だった。
その年、岐阜県のとあるマラソン大会で、参加したランナー100人以上が、スズメバチに刺されるというニュースが流れた。マラソンルートの「橋」の下に巨大な巣があって、ランナーの振動でスズメバチが怒った、というような報道を聞いて、僕はツリーハウスのスズメバチを思い出していた。蜂のタタリ?怖いな(笑)。

Other information