昔は予約が取れないレストラン
このレストランの料理を食べるのは、6年ぶりくらいだろうか。当時は富山にあった。富山県庁の近くだっただろうか、たしか、何とか文学館という、真面目な施設にあった。いわゆるビッグネームの「スターシェフ」の店として人気のイタリアンだ。当時の富山は、まるでブームのように次々に東京のスターシェフの店のオープンが続いていた。このイタリアンの巨匠の店、料理の鉄人の「フレンチの鉄人」の店、怪人シェフで有名なオムライスの洋食店。いずれも公的な施設の敷地内にできたから、地方自治体が頑張って誘致したのかなぁ、などと思っていた。だから、ドライブがてらに順に食べに行っていた。そんな中でも、このイタリアンは、ほぼ予約制で、ひときわ人気だったのだと思う。
今夜のこの店は香林坊のせせらぎ通りにある。店の名前は「ラBットラ・ダ・オチアイ」。テレビでは引っ張りだこのイタリア料理の巨匠・落合シェフの店だ。富山の店が1年ほど前にクローズし、今度は金沢に出店した。銀座1丁目の本店がオープンして20年余、当時は「日本で一番予約が取れないレストラン」と呼ばれていたのは有名だ。当時から、3,800円のミニコース(店はセットと呼んでいた)しかないのだが、前菜もパスタも、メインやデザートなど、コースを構成する料理を、それぞれ10種類以上のリストから選んで、自由に組み合わせるという画期的なスタイル(プリフィックス・スタイル)だった。
そのスタイルは、今夜も一緒なのだが、値段は違っていて、つまり高くなっていた。12月だから?家賃高いの?、まぁきっと何かの事情があるんだろう(笑)。でも二人で使うから、前菜からドルチェまで、それぞれ2種類づつ、合計8種類の料理を選び、二人でシェアできる。だから、片方はBットラの代表的な一皿を、もう1品は本日のおすすめ品から選びながら、コースを作っていった。
たとえば前菜なら、定番の10種盛合せ(これはいつもすごい)と、白子のムニエル・レモンバター(見た目はともかく味は絶品)にしたし、パスタは、落合さんのスペシャリテ「ウニのスパゲッティーニ」と、おすすめの「香箱蟹のフィットチーネ」を選んだ。どっちも旨いに決まっている(笑)。まぁ、スタッフからは「上手な注文の仕方です」と褒められた(笑)。左隣の席の女性2人は、シェアするどころか2人とも同じメニューを食べていた。もったいないなぁ。右隣の男女3人も、3人同じだ。まぁ人それぞれだな(笑)。
ちなみに銀座時代から時は流れて、富山のときも今回の金沢も、予約すればすぐに席が取れた。6年前の富山のときはサービスが???で失敗したのだが、今回は違和感もなく、料理も安定して「ラBットラの味」だったし、楽しい時間が過ごせた。毎回毎回、取り皿をもらってシェアするから、行儀がいいわけではないのだが、スパークリングやワインもグラスで揃っているので、ガンガン飲んで、パクパク食べて、おなか一杯だ(笑)。やっぱりイタリアンは気軽なほうがいい。お昼は、もう少し安いと思うから、気になる人は一度訪ねて、試してみてはいかがだろう。
ラBットラ金沢 la-bettola-kanazawa.com