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2022年04月15日

本の時間「旨いミルクティーに出会った」

哲学者のアニメ考察本
ある日の僕の読書にまつわる話なのだが、先週掲載した「3時間の空白」の続編でもある。あの日の時間つぶしは、まだまだ続いていた。待ち合わせ時刻まで、まだたっぷり時間があるのだが、せっかちな僕は、そんな予定外の時間つぶしがやっぱり苦手だ。
読みかけの小説は家に置いてきたから、普段買わないような一冊を本屋で買うことにした。暇つぶしに見つけたのは、哲学者が書いた宮崎アニメの考察本だった。まぁちゃんとした哲学書なのだ(笑)。
さて今度は、読書のための場所探しということになる。浮かぶのはスタバ(駅前には何店もある)なのだが、すでに列が付いてることは理解済みだから、駅から少し離れるしかなさそうだ。結局、ホテルN航のカフェラウンジに向かった。さぁゆっくり本を読もう。まだ1時間半ほどある(笑)。
このカフェラウンジのインテリアや雰囲気が好きで、たま~に使うことがある。何より、たぶんすいていると思った。カンは当たった、すぐに座ることができた。

久々の旨いミルクティー
意外なことに、どの席も若い女性たちで埋まっていて、いつものマダムたちはいない。そして、あの三段重ねのティースタンドが目立っていた。どうやら、あっもこっちのアフタヌーンティーを楽しんでいるようだ。まぁここのやつは値段も安いから気軽なのかもしれない。
おっさん一人でアフタヌーンティーとはいかないので、そんな光景に引っ張られたように、珍しくミルクティーを注文することにした。いわゆるオーソドックスなロイヤルミルクティーだ。でも、こいつだけ妙に値段が高い(笑)。きっとポット提供なのだろう。
買ったばかりの哲学の本(笑)は想像以上に読みやすくて面白い。ある哲学者が宮崎アニメを哲学的に語るわけで、ちょっと興味深い内容だ。すいすい読むうちにティーポットが出てきた。しかも、バカでかいポットだ。そんなに何杯も飲めないのに。
女性スタッフが注いでくれたミルクティーの1杯目は、めちゃくちゃ旨かった。驚いた。こいつは本気のミルクティーだ。紅茶なのだが、キャラメルや上質なカカオのような優雅な香りと、なにより切れのいい甘みを感じる。久々に旨いミルクティーに出会った。茶葉はおそらくフレーバーティーだ。
さらに、シロップ漬けの氷砂糖がビンごと置かれた。どうやらミヒャルゼンのキャンディスらしい。紅茶も凄いが、こいつも凄い。まるでアベックホームランというやつだ(まぁ表現が古いよな)。2杯目にこいつを使うと別の味が楽しめた。メープルシロップがいい仕事をしてくれる。

同級生たちのこと
美味しいミルクティーでひと息つきながら、ふと、あることを考え始めていた。それは同窓会の当日、東京や大阪や、もっと遠方から金沢に集まってくる同級生たちのことだった。
もうずいぶん前のことだが、そんな同級生たちの多くが、実家ではなく「ホテル」に泊っていることを知った。地元を離れた同級生たちが同窓会に出席するということは、金沢に帰省するということだ。それはイコール実家に泊まって家族と過ごす、というような古い図式をイメージしていた。でもそれは大きな勘違いで、実家がない人が多いのだ。すでに僕たちは実家が無くなっていて当然の年齢なのだ。
同窓会の日に、おそらく(念のためを考えて)何時間か前に金沢駅に着いた同級生たちは、泊るホテルに荷物を預けて、どこかで時間つぶしするはずだ。そんな彼らの姿が浮かんだ。彼らはきっと今の僕のように金沢駅の周辺をプラプラすることになるのだろう、と思った。
もしかすると、同窓会の受付時刻まで、今日の僕のように「無駄な散歩」や「長い暇つぶし」をすることになるのかもしれない。そんな時間には、僕の親子丼や哲学の本は必要ないだろうが、ここのミルクティーはおすすめしても良いかもしれない(笑)。まぁ同窓会の会場は、この向かいのAホテルだから、ここはライバルホテルでもある。今度はAホテルのラウンジで、何か面白いやつを探すことにしようと思う(笑)。

おまけのハナシ。
あまりに旨いミルクティーだったので、自宅に戻ってちょっと調べてみた。たぶんロンネフェルト(ドイツの紅茶メーカー)のアイリッシュモルトという商品だと思う。ミルクティー専用のフレーバーティーのようだ。ロンネフェルトは、日本でもいろんな有名ホテルが採用しているのだそうだ。またひとつ通販したいやつが増えたことになる(笑)。ちなみに前述のキャンディスはKALDIでも売っているそうだ。

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