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2020年03月20日

カロリーゼロの食べ物

最近、チョコレートをよく食べる。デスクワークの合間にポリポリ食べる。1回に大量に食べるわけでない。せいぜいで1個か2個だ。ポリポリというのは食べ方のことで、かならず奥歯で噛んで、溶ける前に飲み込む、そんなせっかちな食べ方をする。せっかちだから、舌の上でもったいぶって溶かす、みたいな悠長なことはしない(笑)。チョコレートは、そんな仕事のアクセントみたいなものなので、かならず何種類か置いてある。あくまでアクセントなので、僕は「カロリーゼロ」の食べ物だと思い込むようにしている(笑)。ダイエットに関しては、例外の商品だな。
最近のお気に入りは、アーモンドとか歯ごたえがいいやつかな。中でもmeijiの抹茶アーモンドってのが第1位だ。その前までは、同じmeijiの「ザ・チョコレート」ってやつにはまって、そのシリーズを頻繁に買っていた。まぁ、世の中のブームに乗せられただけだ。まるでチョコのファンのように書いているが、実は、買わなかった時期の方が、ず~っと長い。だから、バッカスとかルックとか、そんなあたりでチョコレートの記憶は止まっていた(笑)。

その昔、関連事業の開発をやっていた頃、高級チョコレートのブームがやってきた。ちょうど第一次のブームで、ゴディバとかピエール・マルコリーニとか、宝石店のように売る店が、日本を席捲した。金沢にも風が吹いて、どこも活況づいていった。呼び方も「チョコレート」ではなく「ショコラ」になって、ガナッシュがどうだとか、プラリネはこうだとか、特徴の説明の仕方が変わって、一気に専門的でややこしくなった(笑)。パティシエとショコラティエを区別するようになったのも、そのころだ。
そんな中、ピエール・マルコリーニ出身のショコラティエが金沢に店を開いた。工大のそばにある「Sンニコラ」だった。今では有名だが、当時のここのショコラは本物だった。普段使いのケーキも美味しくて、当時はしばしば訪れていた(香林坊の店は2回しか行ったことがないけどね)。その後も、ブームに乗ってたくさんの有名なショコラトリー(専門店)が大都市にオープンし、地方百貨店にもそんな商品が並んだ。しかし近頃では、そんな高級な店も当たり前になってしまい、バレンタイン商戦を除いては、あまり騒がなくなった。極めて日本的な栄枯盛衰だな。

ある日のこと、田上にある「パティスリー・O」という店に行った。いま金沢マダムに有名なケーキ店で、こっちのシェフはピエール・エルメの出身らしい。つまり彼もショコラティエということか。平日だというのに駐車場は一杯で、空くのを待ち、ようやく店内に入った。きれいな店だった。おそらく特注の豪華なショーケースには、チョコレートをはじめ、様々なケーキが並んでいる。まぁ陳列量は少ないから、人気でどんどん売れていくのだろう。商品は、いずれも美しく存在感があった。二人暮らしなのに、思わずも4個買ってしまった(笑)。もちろん大好きなモンブランは外さない。フレーバーの効いた焼いたメレンゲの上に、大きな栗が乗っていて、それをマロンクリームが包んでいる。最近は複雑な商品も多いのだが、ここのやつは、むしろシンプルでカッコいい。

1月末の折込チラシはバレンタイン特集だった。香林坊の某百貨店のチラシだ。そこには「気鋭のショコラティエ」とタイトルされて、その「O」が紹介されていた。きっと2月は、ものすごい人が殺到して、あの駐車場に列が付いていたのだろう。でも、ここで買うチョコレートは誰に贈るのだろうか。今では本命とか義理チョコは死語になり「友チョコ」とか「自分へのご褒美」の方に予算を割くのだそうだ。
ちなみに、こんな僕にも、死語の義理チョコが届いた。そのチョコレートは、毎日食べるチョコに加わる。メーカー品のそれと一緒するのは申し訳ないのだが、僕にとっては普段使いのものだ。あっ、健康診断は今月だった。しばらくカロリーゼロとは言えないなぁ。

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