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2020年07月24日

本の時間「詐欺師のノベライズ本だから」

映画館へは行けない。好きな映画くらい観に行きたいのだが、いまはダメだ。映画館はやっているようだが、不要不急の外出だろうし、ましてや、ある種の「密室」ということだしね(笑)。仕方がないので、本屋で原作(小説)を探すことにした。最近の本屋には、そんな専用コーナーがあって便利だからだ。僕は、映画(特に邦画の場合)を観るより先に、原作の本をけっこう読むほうだ。きっかけはいつも、新作映画のテレビCMとか、情報番組の映画コーナーなどで興味を持つからだが、概ね原作の方が面白いと思っているからだろう。僕にとっての映画は、原作のためのPR広告のようになってしまっている。けっして映画を軽視しているわけではない。僕にとっての映画は、もっともっと気軽なレジャーのひとつに過ぎないだけだ。だから今でも難しい映画はダメだ(笑)。

原作とは違って「ノベライズ本」というやつもある。うまく説明できないが、ノベライズ本は「映画のシナリオ」を小説化したもの、という解釈でいいと思う。しかし、登場人物が映画より多かったり、映画では描かれなかったシーンがたくさんあるのが特徴だから「アナザーストーリー」と言っても良いかもしれない。最近では映画の封切りと同時期に発売されるから、制作会社にとって、後のDVDや配信と同様に、商業的には大事な有料メディアなのだと思う。で、この日は、あまり人が殺到しない時間を選んで、大型店へ出掛けてみた。が、結局、興味をそそる原作小説はなかった。仕方がない(失礼)ので、「コンフィデンスマンJPプリンセス編」というやつを買うことにした。テレビドラマの映画版のノベライズだ、ややこしいなぁ。

最近読んだノベライズ本では「AI崩壊」というやつが面白かった。タイトルに興味を惹かれたからだが、ダンブラウンの「オリジン」に共通する「AI」がテーマだったからだ。主演のO沢たかお君が、いろんなメディアに露出していて、刷り込まれたのかもしれない(笑)。社会的なインフラになったAI「のぞみ」が暴走し、その開発者である天才科学者が、警察の追跡をかわしながら暴走を止めようと奔走する、というようなストーリーかな。もちろんダンブラウンと比較してはいけない(笑)。
楽しみ方は人それぞれだから、おすすめがあるわけではないが、今回は「映画のノベライズ」なので、僕の場合は、映画版の公式サイトを先に観ている。特に登場人物のキャスティングに興味があるので、じっくり観てしまう。だから本を読むとき、それぞれの俳優の顔が浮かんでくる(笑)。そういう点では、脇役のM浦友和とH瀬アリスが、いい感じだ。

コンフィデンスマンJPの方は、そもそもテレビ版と同じ演者たちだから、そんな苦労はいらない(笑)。とは思いながら、公式サイトを観ることにした。映画版の公式サイトは、昨年封切りされた前作「ロマンス編」と、今回公開予定の新作「プリンセス編」の2種類がある。もちろん買った本とおなじ新作「プリンセス編」を観た。冒頭から、新型コロナによって公開延期になったと告知している。これは仕方ない。そして予告編ムービーを観た。面白そうだ、テレビ版のゲストたちがたくさん出てくる。
と、ここまでは良かったのだが、余計なことに、前作の映画を観ていない僕は、念のため前作ロマンス編の予告ムービーも観ることにした。そして致命的なことに気付いた。去年公開された前作ロマンス編に出演していたT内結子やM浦春馬が、今回も出てる???。
買ってきた「プリンセス編」を楽しむためには、もしかすると、前作の「ロマンス編」を観てないとダメなのかもしれない。いや、これは間違いなく、そういうことだ。このふたつは関連している。登場人物がたくさんダブってるのだ。そうなると、前作の映画を観ていない僕は、そのロマンス編のノベライズを探して、先に読まなきゃならない(笑)。

結局、前作のノベライズを探しにでかけ、なんとか見つけてゲットした。しかし、色々あって読書時間がとれず、この本の順番が後回しになっていった。そしてようやく「ロマンス編」を読み始めた。この1週間ほどのことだ。ところがなんと、そうこうしているうちに、新作の上映記念のためか、このロマンス編の映画がテレビで放映されることになったらしい(笑)。なんだよ、まいったな、これは。それならそうと言ってくれよ。あせって読み始めなくても良かったかもしれないじゃないか。
なんとなく、だんだん、だまされた気がしてきた(笑)。でも、結局、僕はダー子に、いや、フジテレビにやられたってことなんだな。まぁ、詐欺師の物語だから仕方がないかな(笑)。

(追記)その晩に前作がテレビでオンエアされるので、読み始めたノベライズを、最後まで読んでしまおうとページをめくっていた。もうエンディングというそんなとき、彼の訃報のニュースが流れた。小説の中では、彼が演じるジェシーが、その魅力を振りまいている。言葉にならない不思議な気持ちで、最後まで読むことになった。なんだかなぁ。

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