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2021年05月07日

ホテルの時間「汐留が元気だった頃」後編

先週に続いて、今回も汐留でのホテルにまつわる思い出を、後編として書こうと思う。
汐留のふたつ目のホテルは「ザRイヤルパーク汐留」だ。ちょうど日本テレビの社屋の裏あたりに、すくっと(すっくと?)高層ビルが建っている。Rイヤルパークという文字がついたホテルは都内にいくつもあって、どれもM菱地所グループが展開するシティーホテルブランドだ。少し離れているが、水天宮近くには「Rイヤルパークホテル」がある。ここは、そのブランドの本店格らしい。
少し前に上映された映画「マスカレードホテル」の撮影協力をしたことを機に、コラボ企画をやっていて注目されていた。ちょうど、東京27期の新年会のとき、この水天宮のホテルへと行ってみたくなった。映画とのコラボメニューなどをやっていて、少し興味をひかれたのだが、仲間の賛同は得られそうになかった。確かに、おっさん二人でホテルのパフェを食べるには抵抗があったから(笑)。

さて、話を汐留に戻そう。当時、汐留にできたのは、同じブランドだが「THEシリーズ」といわれる「宿泊に特化したタイプ」で、まるでセレブのビジネスマンが使うようなホテルだった。シングルルームなのに、ベッドと同じくらいのサイズのデスクがドーンとあって、あの「社長椅子」みたいなやつが付いている(笑)。もちろんパソコン常備だ。仕事とはいえ、試しに泊まった僕には無用の長物なのだが、椅子に座って、高層階からの街の景色を楽しむのも悪くなかった。
宿泊に特化した、というのは、館内のレストランが少なかったり、ブライダルやバンケットをやっていない、ということで、当時は、ビジネスホテルの高級版みたいな感じだろうか。その後も何度か使ったが、いつも静かなのが特徴だ(笑)。
ザRイヤルパーク the-royalpark.jp

汐留ホテル戦争(笑)、の3つ目のホテルは「Pークホテル東京」。名前に「ロイヤル」が付かない、つまり全く別のホテルだ。名前が似ているだけで、おそらく何の関係もない。当時のPークホテル東京は、デザイナーズホテル、今で言うところの「アート・ホテル」のハシリだったのだと思う。
汐留メディアセンタービルの25階のフロント階まで上がると、そこは巨大なアトリウムになっていて、吹き抜けの高さも10階ほどもある。アトリウムはデザイン豊かなロビーになっていて、ソファーでくつろぐと、街の喧騒を忘れる。スタッフはみんな若くて、きびきびした対応が気持ちいい。客室はコンパクトだが機能的で、僕はすぐに気に入った。その時の印象としては、天井も壁もリネン類も、とにかく「白」でスカッとしていた。レストランは二つしかなくて、使いづらい点もあるのだが、いまでも泊まりたいホテルなのは間違いない。
久しぶりにホームページを観て驚いた。当時から感じていたが、アートにこだわり、追及していて、今では本当に個性的なホテルに変貌している。まぁ値段も個性的だ(笑)。そんなアートに付ける価格は、ただのオジサンには理解できないなぁ。
Pークホテル東京 parkhoteltokyo.com

先週今週の2週にわたって紹介した、汐留のこの三つのホテルは、その後も使っていたのだが、今ではすっかり足が遠のいてしまった。それは僕だけに限ったことではなく、新しい街の「鮮度の寿命」のようなものだ。汐留は、その後どんどん静かになっていった。ほぼ同じ時期に開業した六本木ヒルズとか、その後の東京ミッドタウン(六本木)に話題をさらわれて、汐留の新規性は一気に劣化していったのだと思う。
この3つのホテルの少し手前に、日本テレビの社屋があって、その2階か3階あたりの屋外に「日テレ大時計」という名前の、巨大なオブジェがある。スタジオジブリのM崎駿デザインの、巨大な「からくり時計」だ。よく見ると、ハウルの動く城の世界観に思える。12時とか15時とか、一日に何回か、この「仕掛け」が一斉に動き出す。定刻の少し前から家族連れや外国人など、たくさんの人が集まり始めるから、そろそろかな、と気が付くのだが、それはそれで楽しいショータイムだ。
日本テレビのバラエティー番組なんかを見ていて、日テレ本社前の広場やこの大時計の映像がオンエアされると、当時の汐留のコンクリートの街の景色を思い出す。
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