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2021年09月03日

家飲みタイム「缶詰の魔力」

あるとき、スーパーの缶詰売り場をうろついていて、さんまの蒲焼の缶詰を見つけて、ちょっと嬉しくなった。隣には江戸っ子煮とかホテイフーズのやきとり缶が一緒に並んでいる。どれも、ずいぶん昔からあって、デザインも変わらないように見える。昔は「缶切り」がないとダメだったのだが、今では「イージー缶」?とかいって、プルトップ式のやつに進化しているようだ。
僕にとっての缶詰との出会いは、そーとー昔のことなのは間違いない。大学の寮生活のときに送ってもらった慰問袋(笑)みたいなやつには、米とラーメン(イトメンのちゃんぽんめん)、そして、そんな懐かしい缶詰が入っていたような気もする。たしかに、何度かの単身赴任のときにも、自炊嫌いな僕は、缶詰と缶ビールを多用していたっけ。現代ならコンビニということなのだろうが、当時はそんな便利なものは身近になかった。だから僕の「缶詰生活」は、わびしくて暗い思い出のような感じだ(笑)。

数年前のことだが、業界に「缶つま」ブーム、というのがあった。直訳すれば「缶詰のつまみ」ということだ。仕掛け人は、某食品総合商社(K社)で、この会社が従来にない本格的な「つまみの缶詰」を世に送り出した。その会社の本社は日本橋にあり、その1階に「缶つまBAR」まで出店した。そのときコラボしたのが、当時有名な某外食グループ(Z社)で、缶詰を見事なBARメニューや居酒屋メニューに仕立てて話題作りをした。
専用の公式サイトもあって、缶詰だけでなく、そのアレンジメニューなどを豊富に紹介して、ブームに火が付いた。このサイトを見ると「缶詰の魔力」に魅入られて、どんどん作ってみたくなるから要注意だ(笑)。200円台のフツーの商品もあるが、中には7,000円とか10,000円もする、とんでもない缶詰もある(笑)。プロの料理人がいなかったり、調理設備を持たないような小さな店のオーナーには朗報だったようだ。その後はフツーの居酒屋も、このブームに便乗した。

缶詰のスリーブの上の方に「缶つま」というロゴがあれば、そのシリーズの目印だ。最近は、大型の酒店とか、スーパーの棚にもたくさん陳列されているから、この缶詰は業務用から、今では一般消費者まで広くカバーしているのだろう。そもそも缶詰は、調理済みの食品だから、その後は、災害の備蓄品としても見直されていったし、あの「サバ缶」の空前のブームもあって、その後はユニークな商品も多くなったと思う。
どうやら最近は「缶詰BBQ」という言葉があって、庭や自宅の駐車場での家族のバーベキューにちょうど良い商品という売り方になったようだ。二人暮らしのわが家のバーベキューの場合、老夫婦?の胃袋には限界があって焼肉などは敬遠するから、そんな時は、最近の多彩な缶詰が楽しい。オイル系のやつは、キノコやにんにくを加えて、黒胡椒やハーブソルトを振るだけで、立派なアヒージョになったりする。

今日は、イワシの燻製の缶詰でも開けようか。そういえば、まだ20代の頃かなぁ、片町の「パブ」には、そんなやつが立派なメニューとして売られていたっけ。バゲットに乗せたりするのが定番のように思うが、実は薄切り食パンのバタートーストに乗せるのが一番旨いと思う。
今日の缶詰は、あるときスーパーの値引き品ワゴンに積まれていた缶詰なのだが、驚くほど旨くて、以来あちこちで探して、リピートしている缶詰だ。軽くパン粉でも乗っけて、ミックスハーブを振れば、立派なパン粉焼きができ上がる。冷えたワインも合うだろうが、男の缶詰に似合いそうなのは芋焼酎のロックかなぁ。

缶つま倶楽部 kantsuma.jp

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