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2021年11月18日

唐揚げは好きですか

最近、体重計が気になり始めた。それもこれも「鶏の唐揚げ」のせいだ、と思っている。黒幕は「あの組織」だ。僕にとっては体重を悪化させる悪の組織だから、まぁショッカーみたいなものかなぁ(笑)。
この日、僕は吉野家にいた。野々市新庄にある吉野家は、カウンター席だけじゃなく、たくさんのテーブル席があるタイプで、家族連れでにぎわう店だ。今日も隣は小さな子連れファミリーだった。もちろん、久しぶりに牛丼が食べたくなったからなのだが、妙なメニューに目が行ってしまった。それは一部店舗限定?というキャッチが付いた「牛皿・唐揚げ定食」というやつだ。「W定食」というシリーズらしい。
まぁ、定食なのだが、おかずがふた皿(2種類)もついたやつだ。量も多そうで僕には不向きだ。とはいえ、ここで定食など食べたことのない僕が、注文に踏み切ったのは「吉野家の唐揚げ」が食べてみたくなったからだ。でも、注文した後でゆっくりメニューを開いたら、ちゃんと「唐揚げ」の専用ページがあって、豊富な唐揚げメニューが揃っていることに気付いた。ついに吉野家も唐揚げを本格導入したのだ。

とにかく世間では、いま「唐揚げ」が凄いことになってる。まるで唐揚げ狂騒曲だ。ある食べ物がブームになることは不思議じゃないのだが、昨今の唐揚げ現象は、ブームというのとは何かと違う感じだ。
数年前から「唐揚げ専門店」という看板が多くなった。テイクアウトだけの店も急速に増えていった。それはコロナ渦になって、むしろ加速度がついたような感じだ。買う人も売る人も急増している。こんな僕は、仕事だからと死ぬほど食べてきた(笑)。
なので、今日はそんなブームの「裏側のこと」を書いてみたい。ブームには仕掛け人がいることが多いのだが、そのあたりの話だ。まぁ僕にとってのショッカーのハナシだと思っていい。

唐揚げの「グランプリ」とか、「〇年連続・金賞受賞」や「最高金賞に輝いた専門店」とか、そんな文字を見たことはないだろうか。有名なのはスーパーの棚に並ぶ「唐揚げ粉」のパッケージのキャッチフレーズかなぁ。つまり、唐揚げ専門店が日本中にたくさんあって、そこが「グランプリ」に参加して「金賞」に選ばれる。で、その専門店の監修のもと独特のレシピでつくられた唐揚げ粉が、とても人気なのだ(笑)。
実は、唐揚げにも〇〇協会というのがあって、毎年、グランプリを開催している。その公式サイトには様々な「唐揚げ普及活動」のことが書いてある。日本の唐揚げの聖地は大分県中津市で、今も60軒ほどの専門店がしのぎを削っているようだ。グランプリ(という人気投票かな)は、そんな聖地の店も含めて、日本中の専門店が参加しながら、10年継続しているらしい。協会は、唐揚げファンを増やすために、そんな唐揚げにまつわる歴史や定義、最新情報などを発信し続けている。まぁここが唐揚げブームの立役者なのかもしれない。ショッカーは、けっこう真面目にやっているのだ。

ちなみに、金賞は1位の店という訳ではない。前回だけで確か100軒以上の金賞があったと思う。地域とか味のタイプや部位の違いなど色々あるのだ(笑)。しかも最近はスーパーマーケット(総菜)の部門もできたらしい。言ってしまえば、金賞受賞の店は、毎年毎年たくさん出現する、ということかな。ショッカーの日本征服が進んでいるわけだ。
ある日、近所のファミリーレストラン「G」へ唐揚げを買いに行った。ここはファミレスなのに店内に、唐揚げ専門店「〇ら好し」という店を併設している。ここも3年連続金賞の看板を置いて宣伝している(笑)。さっそく、三種類の唐揚げをテイクアウトして食卓に並べた。ベーシックなやつも変わり種もある。食べると、好き、嫌い、がはっきり言えるほど特徴的だ。

唐揚げは好きですか?と問われれば、大多数が「大好きです」と答えるのだろう。でも最近は「どんな唐揚げが好きですか」と問われるのだ。もはや「みんなの好きな味」ではなくて「わたしの好きな味」が大事なのかもしれない。
仕事だから仕方がないのだが、僕はそんなショッカー推薦の唐揚げを今日も食べ続けている。でも個人的な好みで言えば、カーネルおじさんの昔ながらのオリジナルチキンのファンだ。僕はまだショッカーに洗脳されていないのだが、このブームに翻弄されているのは間違いない。

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